君のかけら

茜色がさす
人気のない校舎に
君とよく残った
いつも座る席は
夕焼けが眩しかったね

風に翻る
カーテンの向こう側
机に腰掛けて
笑う君の顔が
何故か今思い出せなくて

時が経つほどに
君のかけら
形をなくしてく

永遠だと錯覚してた
穏やかな時間を
いつまでだって続いてゆくと
疑うことも知らずに
過ごしていた

薄く消えかけた
スタートラインにつき
久々に走った
誰もいなくなった
校庭は
とても広かった

足元の影を追いかけても
君に追いつけない

今どんなに手を伸ばしても
そこには届かない
頬を凪いでく風の向こうに
その背中を捜している

目の前に広がってるのは
あの日と同じ色
それじゃまたねと
手を振る君の影を
見送ることしかできなかった
遠い記憶

二度と君に会えないなんて
思いもしなかった

永遠だと錯覚してた
穏やかな時間を
いつまでだって続いて欲しい
ただひたすら祈ってた

あぁ
色褪せてゆく大切は
想い出だけでつながって

今も紡がれるのは
君に届かない言葉
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