「口約束(くちづけ)」

もうどれくらい歩いたのだろう 客のいない音楽団
まわり狂うメリーゴーランド 足を引きずり声枯らす
絶え間ない音のループたちが 感覚を奪っていく
出来損ないの曲が止まれば 砂時計が命刻む

条件満たす愛の先には 条件付きの幸せ
ふたり以上の恋を選んだ ふたりには後悔の渦

ぼくと世界を繋ぐ唄よ どうか君へ届きますように
枯れない愛で きっと救い出してあげるから聴いて
君を傷つける全てのもの ぼくは殺す覚悟が出来てんだ
消えない 消えない 痛みもほらすぐになくなるように 歌うから

守れやしない約束がほら ふたりを嘘つきにした
ああもっと いたいことをしてりゃ
ぼくの痕 残ってたかな?
誓えやしない指切りがほら ふたりを臆病にした
ああもっと ひどいことをしてりゃ
ぼくの事 忘れなかった?

もう少しだけ あと少しだけ 欲張りなぼくらは子供のまま
求め合って 傷つけ合った 微かな未来を信じないから
飲ませるって言ったね、針千本 僕は飲まないから、見る専門
だってそれより辛い気持ちをこれ以上ないくらい、感じてるもん。

さよならいつか、もういちどいつか、また出会えるのならわらいあって
拙い 儚い 叶いはしない夢物語を叫ぶ
君の幸せを願う程 肺を満たしてく愛の藻屑
募る 募る 想いはやがて 此処にただ降り注ぐ、砂となる。

だけど僕は唄を唄う 君の為唄を唄う
胸の奥に溶け残った ふたりの嘘が、宝物なんだ。

すきのしるしのきすのはずだろう ふたり重ねた、口約束(くちづけ)。
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