かすみ草をください

春雨は 誰にでも
おんなじように 降るのにね
どうしてよ 私には
心に 降りしきる

夕立を よけながら
相合傘を さすけれど
いつからか あの頃の
あなたは もういない

あゝ捨てるなら かすみ草をください
両手に全部 持てるだけ
あゝ捨てるなら かすみ草をください
涙の頬を 飾りたい

秋雨が ほとばしる
思い出全部 集めるの
あなたにと 届けたい
私は ここですと

小夜時雨(さよしぐれ) くちびるを
重ねるだけの キスだから
戻してよ あの時の
二人に もう一度

あゝ捨てるなら かすみ草をください
綺麗とせめて 言わせたい
あゝ捨てるなら かすみ草をください
寄り添う恋に 似合う花
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