氷の中の夏

絡ませた指先
ふれあうくちびる
灼けた砂の上に
横たわるふたり

僕の胸の奥で
まだ燃える日々が
音もなくグラスの
氷を溶かすよ

静かな夜が君を
心に連れてくるよ
まぼろしだと名付けて
飲みほしてしまいたい
手のひらの中 遠い季節

君の熱い素肌
思い出すたびに
琥珀色の海が
さざ波をつくる

君のその瞳に
まだ揺れる炎
氷の中にいま
閉じこめた夏
終わらない恋
溶けてゆく夢
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