淋しい手

夜の中へ手をのべる
あなたはいないのに
暗い闇が指にふれ
むなしくふるえてる
いつでもあなたの 熱いからだ
わたしをつつみ そばにいたけれど
いまは闇があるだけよ
わたしは捨てられた

長い髪を散らして あなたを求めるの
白くやせた指先が
はかなく舞うだけよ
お願いあなたの 熱い胸に
わたしを強く抱いて もう一度
いまは闇があるだけよ
わたしは捨てられた

夜明けの光の 中でひとり
わたしは死んでしまう 悲しくて
いまは闇があるだけよ
わたしは捨てられた
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