国境の春

遠い故郷は はや春なれど
ここはソ満の 国境(くにざかい)
春と云うても 名のみの春よ
今日も吹雪に 日が暮れて
流れ果なき アムールよ

ペチカ燃やして ウォッカ汲(く)めば
窓に流れる バラライカ
祖国離れて 旅する身には
なぜか心に しみじみと
響くやさしの セレナーデ

たとえ荒野(あれの)に 粉雪降れど
やがて花咲く 春じゃもの
咲けよオゴニカ 真赤に咲けよ
燃ゆる血潮の この胸に
明日の希望の 花よ咲け
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