港に赤い灯がともる

暗い空だよ きらりと光る
切れたテープか 鴎の鳥か
あゝ 港に赤い灯がともりゃ
残る未練の すすり泣き

今日の出船は 東か西か
ドラがしみこむ 俺らの胸に
あゝ 港に赤い灯がともりゃ
海が恋しい 船乗りさ

(セリフ)
『今度こそこの町へ落ち着こうと、何度考えた
かしれねえが、あの海の呼ぶ声を聞くと、なぜ
かじっとしちゃいられねえんだよ。そりゃ俺だ
ってたまには岸壁にへばりつくこともあるんだ
が、いつかまたあの広い海へ出ていってしまう
んだ。あばよ、港よ陸よ、あすはまた海へ行く』

歩みつかれて 錨をおろす
なれた酒場の あの娘のえくぼ
あゝ 港に赤い灯がともりゃ
せめて一夜の 陸(おか)の夢
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