あの娘と野菊と渡し舟

忘れないでと 小指をからめ
見送(おく)ってくれた 船着場
あんな田舎の ちいさな町で
別れて何年たったろか…
懐かしいなァ… 遠くなるほど 初恋の
あの娘と野菊と渡し舟

好きと言えずに 喧嘩をしては
笑っていつも 仲直り
耳をすませば 聞こえてくるよ
小川のほとりで呼ぶ声が…
泣けてくるなァ… 思い出すたび 目に浮かぶ
あの娘と野菊と渡し舟

都会(まち)の花屋の 菊一輪に
面影はこぶ あかね雲
白壁(かべ)に刻んだ あいあい傘も
夕陽に染まっているだろね…
帰りたいなァ… 夢でいいから もういちど
あの娘と野菊と渡し舟
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