地下鉄の駅へと急ぐ夏

地下鉄の駅へと急ぐ夏
花柄模様のワンピースの女の子が
母親と手をつないで歩いてる
僕が追い越そうとすると

その女の子はビルの谷間にそびえたつ
あの入道雲にも負けないくらい大きな声で
あのね私お母さん大好きよ
そしてお父さんもね

僕の足音に母親は小さな声で
でもつないだ手を大きく振りながら
…「ありがとう」…

地下鉄の駅へと急ぐ夏
僕はチラッと入道雲を見上げながら
ふるさとの母につぶやいた…「ありがとう」…
そしてお父さんもね
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