ラストレター

あなたがこの手紙読む頃には、もう外は春でしょう。
私は今こうして、最後の言葉を書き綴っています。

隣で眠ったあなたの横顔、眺めてたら笑みが零れます。

あなたを悲しませるのは、きっとこれで最後になるでしょう。
できる事ならば、もっと二人で悩んだり、笑い合っていたかった。
だけど心は穏やかです。ただあなたの寝息を聞くだけで、
生きてるってことは奇跡だと、今になって思うのです。

哀しみに暮れるあなたもいつかきっと、
心から愛したいと思える人と、巡り会うことがあるでしょう。

その時はどうか、ためらうことなくあなたの愛をあげて下さい。

あなたは真っ直ぐな人だから、その不器用さが心配です。
私の抜け殻に埋もれないで。あなたはあなたの幸せを。
だけど一年に一度の、私の誕生日くらいはそっと思い出してほしい。
それだけが、ささやかな願いです。

ここに書き切れなかったこと、まだまだありますが
結局、私が一番あなたに伝えたい言葉はきっと
「ありがとう。」

あなたに遺せるものなど、この手紙くらいかもしれません。
それでも私のすべてを込めて、あなたに届けたいと思います。
あなたと出会い恋をして、その暖かな愛に包まれて
生きてるってことはそれだけで奇跡だと、私は今だから思うのです。
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