coal tar

「呼んでる 誰の声だろう
確かな 幸せな声
今そこに行くよ 今」

「ずっとはぐれていたの
ずっと寂しかったの
もう手を離さないで
この手を離さないで」

今日もコールタールの海
逃げるように目を閉じた

真暗な世界に身を置いて やがて来る眠りを待つ
今まで見てきたこと 感じてきたこと 私はもう忘れたい
軽薄な祈りは鮮やかに 逃げている今の私を映した
嫌になってくる 私でいること 私という何もかも

今日もコールタールの海
夢中で手を伸ばす

「赤い夕日が見えた
もうすぐ夜になるから
早く帰らなくちゃ 早く」

今日もコールタールの海
沈んでいくことが上手くなった
息も続かないけど
溺れさせてはくれない

負けないように笑顔を見せた 心が折れないように
誰かに愛されれば 今よりはまだ 生きたいと思えるかもしれないから
だけど 上手に見つめられない
だって私が私自身を 嫌いなんだから 信じられないの
自分の全てが好きになれない
愛されたいよ 愛していたいよ

誰でもいい 助けて もう消えたいの
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