喫茶店の片隅で

アカシア並木(なみき)の 黄昏(たそがれ)は
淡い灯(ひ)がつく 喫茶店
いつも貴方(あなた)と 逢(あ)った日の
小さな赤い 椅子(いす)二つ
モカの香(かお)りが にじんでた

ふたりだまって 向き合って
聞いたショパンの ノクターン
洩(も)れるピアノの 音(ね)につれて
つんではくずし またつんだ
夢はいずこに 消えたやら

遠いあの日が 忘られず
ひとり来てみた 喫茶店
散った窓べの 紅(べに)バラが
はるかに過ぎた 想(おも)い出を
胸にしみじみ 呼ぶ今宵(こよい)
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