夫婦徳利

頭にきたぜと 玄関先で
吐き出す吐息が 酒まみれ
つらい気持ちは わかっちゃいるが
励ますことばも 月見草
黙ってあんたの 肩を抱く

この世が闇なら おまえが灯り
よろしくたのむの 一言が
女心に楔を入れりゃ
おちょこと徳利の仲だもの
地獄の底まで ついてゆく

徳利の数だけ 並べる愚痴の
女房は受け皿 つゆ払い
どうせ二人は 似たもの夫婦
涙の一夜が 明けたなら
裏町人生 日本晴れ
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