小春王将

勝つか負けるか 勝負の読みは
駒に聞いても わかるまい
ひとりはあんたは 夜汽車にゆられ
水の浪花を 後にする
うしろ姿に 手を合わす

俥ひく手に 握った駒は
盤を睨(にら)んで 鬼になる
そんなあんたに 心底惚れて
つくす私は 世話女房
どんな苦労も いとわない

一世一代 東京の舞台
見せてあげなよ 名勝負
いつもあんたは 小春の王将
たとえ負けても 悔いはない
坂田三吉 名は残る
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