女の潮路

最果ての 港に雪が降る
ひとりで海鳴り 聞く夜更け
あの日 あの時 あの人と
乗れば良かった あの船に…
幸せに 背を向けて
どこへ流れる 女の潮路

誰よりも 優しい人でした
気づいてみたって 遅すぎる
ばかね ばかです あの人に
訊(き)けば良かった 行き先を…
唇が 泣いている
北の止まり木 女の潮路

生きている 詮(かい)などありますか
幸せつかめぬ 細い指
あの日 あの時 あの人と
乗れば良かった あの船に…
淋しさに 揺れながら
どこへ流れる 女の潮路
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