倉敷しぐれ

あなたといつか 訪ねた宿を
今夜も選んだ 蔵屋敷
思い切る気の 旅路のはずが
女のこれも 未練でしょうか…
宿傘借りて 堀割行けば
すすり泣くよな 倉敷しぐれ

心の内は 見えないだけに
いつしか出来てた 行き違い
胸のほころび 繕う針は
この世の中に ないのでしょうか…
やつれて細い 柳の枝に
しずく重たい 倉敷しぐれ

思い出離れ 出来ない内は
失くした笑顔は 戻らない
消すに消せない 未練の糸は
月日が切って 呉れるでしょうか…
水面に映る 白壁揺らし
音もなく降る 倉敷しぐれ
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