母流転

たずねています 探しています
今も瞼に 残っています
なのにお前を なぜ手ばなした
世間に気がね したばっかりに
母は 母はおいめの 流れ旅

(セリフ)
「許しておくれ
馬鹿だった母さんを
どこに…… どこに居るの」

波止場で聞いた いで湯で聞いた
噂たずねて 歩いています
雨の降る夜は 泣いてじゃないか
今更云えた 義理ではないが
そっと そっとつぶやく 子守唄

(セリフ)
「無事でいたなら……
お前も十九になるのねぇ」

似合うでしょうね 花嫁姿
一目みたなら 死んでもいいの
訳はどうあれ 母親らしい
ことすら何も してやれないと
詫びる 詫びるこころの 母流転
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