まどい

落ちていく夕陽 背に浴びて また少し汗をかく
伸びた影のその先で 今宵の月は白く光る
飛びまわっていた鳥たちも 羽根を休め 巣に戻る
こんな見慣れた風景の中 僕は家路をゆく

かどを曲がれば少しずつ あたたかい街のにおい
ふと見上げればもう月は その色を黄に染めた

今日 君とどんな話をしようか
今日 僕は結構 笑える事があったんだ
今日 君はずっと 笑っていられたかな
あぁ 足早になる

まんまるい優しい場所がある
理由なんかない ここにしかない
愛おしいもの 僕らだけのひととき
まんまるい優しい場所がある
あたり前でも ありふれてても
代え難いもの 僕らだけの 特別な 特別な夜

安らぎをそっと噛み締めて 今僕は目を閉じる
この繰り返しの営みを 「幸せ」と僕は呼ぶ
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