恋一夜

うれしかったのあなたの愛が
涙で目覚めた春の朝
叶(かな)うはずない倖せなんて
あぁ 恋一夜
白いうなじの紬(つむぎ)の肩を
そっと抱きよせ寄り添うふたり

咲いて一輪いとしい花も
宿命(さだめ)に散りゆくときもある
つゞくはずない倖せなんて
あぁ 恋一夜
風にまかれてからんだ髪が
今もあなたをさがして泣くわ

残り少ないともしびゆれて
別れに悲しく啼く小鳩
なれるはずない 倖せなんて
あぁ 恋一夜
せめてこのまゝあなたのそばで
燃えてつきたい命の限り
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