酒よ 今夜は

夜更けの酒場の みなしごは
淋しさ恋しさ かきまぜて
ほろり ほろほろ 呑んでいる
あんな男に いつまでも
未練の糸が からむから
酒よ 今夜は ほどいてよ

女はふたりで 居たいのに
男は身軽に なりたくて
そして私は またひとり
花を散らした あの夜が
まちがいなのか 初(うぶ)なのか
酒よ 今夜は 教えてよ

しあわせもどきの 硝子玉
割れても不思議じゃないけれど
なんでこの手に 握らせた
春がそこまで 来てるのに
私の胸は 冬のまま
酒よ 今夜は 酔わせてよ
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