旅人だもの

トラックを停めたら 迷子扱い
抱けると思われて乗った助手席
なんて読むかのわからない さびれた駅の陰からは
路上の歌が流れてる 誰かが鼻で笑ってる

冷めてるコーヒーと小銭くすねて
3度目のカーブで飛び降りた街
ギターケースの留め金が 馬鹿になってる 外れてる
だけど特別さみしくない 私もどうせ 外れてる

旅人だもの どうせ 旅人だもの
ひとつの街には 落ち着いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその気なら どこだって終着駅だ

流されているのか 流れているのか
あやふやな景色が車窓にゆれてる
理由なんかは聞かないでくれ 立ち止まってしまうじゃないか
考えごとは腹がへる 考えごとは腹がへる

旅人だもの だって 旅人だもの
ひとつの街には 落ち着いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその気なら どこだって通過駅だよ

ぐるぐるぐるぐる目が回るくらいに
もう何回まわったかわからないお日様が今夜も沈んでいく
横になれる場所はないかと彷徨いながらうつらうつら
やっとこ見つけた公園の向かいには
オバちゃんひとりの古びたコンビニがあった
「ねぇオバちゃん。野宿をしたいんだけど、この辺りに悪い人はいるのかい?」
そう尋ねた僕に、
「ねぇ坊や。どんな所にも、悪い人もいれば良い人もいるんだよ。
ちなみにオバちゃんは良い人だけどね」って 肉まんひとつ

今夜もぼくらは なんとか生きている。

旅人だもの そうさ 旅人だもの
ひとつの街には 落ち着いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその気なら どこだって終着駅だ
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