人恋さんさ

むらさき手綱(たづな)の 馬こにゆられ
嫁に来いよと 言ったじゃないの
あなたとわたしは 親決(おやぎ)めどうしで
うまれたときから 鶴と亀
さんさ時雨を わすれたか

わたしを抱きよせ この耳もとで
愛のひと節 なさけの小節
男をみがきに 出かけた修業(たびさき)
きれいな女(おな)ごに まよってか
さんさ時雨(しぐれ)に ついほろり

箪笥(たんす)に長持 衣装は揃(そろ)た
こころ不足は あなたが居ない
わたしの身代わり センダイハギです
黄花(きばな)が 枯れずに 届いたら
さんさ時雨で 祝いたい
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