望郷夢のれん

お国なまりでぽつりと話す
お客さんの 言葉が
しみじみ恋しい なつかしい
雨の横丁(よこちょう) 駅裏酒場
泣いて別れた 妹を
思い出させて 故郷が揺れる

蝉じゃごんせん妹でござる
妹泣くなよ 気にかかる
惚れた男は忘れたけれど
忘れないよ 妹の つんつん椿の 花えくぼ
雨に汽笛がちぎれて消えて
こころばかりが飛んで行く
夢も昔の 故郷の空へ

盥回(たらいまわ)しの情けにすがる
そんなものね この世は
袖すり合うのも 縁なら
雨ののれんににじんだ灯り
拾い集めて お客さん
歌いましょうよ 故郷の歌を
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