港節

あらくれ漁師の 背中には
海が恋しと 書いてある
こんなに私を 惚れさせて
あんた出てゆく かつお船
港おごじょの 火の情念
はるか赤道 越えてゆけ
炎えて 炎えて 阿修羅みたいに 飛んでゆけ

枕のさきまで 寄せる海
夢も時化ます 枕崎(まくらざき)
あんたの命を 奪ったら
ただじゃおかない 許さない
薩摩おごじょの 深情け
地獄踏む気の 恋づたい
炎えて 炎えて 腹に火を抱く 桜島

あんたの子供を 宿したと
無線打とうか 泣きながら
くやしいけれども 逢いたくて
憎い海だよ かつお船
港おごじょの 恨み節
ともに呼ぶのか はぐれ鳥
炎えて 炎えて 阿修羅みたいに 舞ってゆけ
×