ミラージュの葉

誰もいない海 朝焼け
打ち上げられたトビウオのように
僅かな夢も薄れて
彷徨える波に こぼしていた

降りそそぐ星を眺める
丘の上のベッドにキャンドル灯して
何気ない声 ふたりの未来は眩しかった

どこか同じ空を見上げているよ
今も輝きはそのままで
すべて消えるわけじゃない
寂しさに襲われても

うわの空で何度も捜す
ちぎれた言の葉 胸に押し付けて
最期のカケラを残したまま
風に吹かれてくの

流れる街の彩り
恐ろしいほどに時は止まるよ
差し出した手の温もり
何も感じ取れない

深く 深く 閉じ込めた真実も
いつかのさりげない約束も
壊れかけた笑顔も
守れたら良かったのに

うわの空で何度も歩く
想い出の中に取り残されないで
安らかなそれぞれの明かりを
見つけるべきなの

やわらかい草原に影がなびいて
時計の針は渦巻いた
夕暮れの中へと溶けてしまう
燃えるような あの雲に

うわの空で愛してる
ちぎれた言の葉 胸に押し付けて
最期のカケラを残したまま
ゆらゆら泳いだ風に吹かれてくの
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