私は風

あまりに悲しいことばかりで
どこか遠くへ旅にでようと
ポケットに思い出つめこみ
ひとり汽車にのったの

汽車の窓の外を走りぬける
昨日までの私のにがい人生
もう二度と戻ることのない
この町ともさよならね

もう涙なんか 枯れてしまった
明日から 身軽な私
風のように 自由に生きるわ
ひとりぼっちも 気楽なものさ

目をとじて 心もとじて
開いた本も とじてしまえ
私は風 私は風
終わりのない 旅を続けるの

私を抱いて 気のすむように
抱いたあとで あなたとはもうお別れよ
どうせ私は 気ままな女
気ままな風よ

胸の奥深く うす紫色の 霧が流れる
誰か教えてよ 私の行く先を

見知らぬ町の 街角にたち
人波の中漂う私 明日はどこへ 終わりのない旅
×