恋つむぎ

あなたの好きな この紬
はじめて袖を 通す夏
時節(とき)はいつしか ひとまわり
わたしにさいごの 笑顔をみせた
あの日とおなじ 蝉しぐれ

わたしの髪に 花一枝(ひとえ)
優しく挿して くれた人
時節(とき)はながれて 走馬燈
あなたに嫁いで 行くはずでした
悲しいさだめ 恋つむぎ

紬の色は あせもせず
女のからだ 包みこむ
時節(とき)はいつしか ひとまわり
あなたに愛され あなたと生きた
温もりひとつ 夢あかり
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