私の心は語る薔薇の御胸を葩の御身を

目蓋を閉じれば
私のからだは
真珠の芽を持つ
一本の茎

しずかに翡翠の
血は流れ巡り
絡み合う蔦となって
伸びてゆく

馨しい夜に
育った蕾は
明日の朝には
綻ぶでしょう

ひとつまたひとつ
大輪の花は
世界を春に変える

さあ乙女よ 手折って
その髪に 飾りなさい
そして愛しい人の元へ
知っているの誰よりも
恋の切なさ
だからこんな美しく
私は咲くの
月光に抱かれて

葩びらが宿す
雫は大地への
贈り物なの

すべてが息づく
森も野も風も
深い薫りを纏い
お城では舞踏会
王子の手で 実りましょう
その真実の愛のために

知っているの何よりも
恋の悦び
ただ一夜の命でも
甘やかに散る

さあ私も 目覚める
太陽の腕の中
おとぎの夢
聞いてくださる?

感じている今もまだ
恋の切なさ
だから最後の時まで
綺麗に咲いて

もう忘れていいのでしょう
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