ロリィタモデルのほか、ドレスや痛バッグのデザインプロデュースとマルチに活動するアーティスト・春奈るなが、5月4日(日)台東区の東京キネマ倶楽部にて『OSHI TO DATE presents HARUNA LUNA LIVE 2025 "raison d'etre"』を行った。春奈るなのワンマンライブとしては1年振りのバンド編成による公演の模様をレポートする。
当日、好天に恵まれたGWの下町に、幅広い年齢層・性別のるな充(春奈るなファンの呼称)が集結。開場となり白地に白いロゴという、モデルも務める春奈るなならではのお洒落なライブTシャツに身を包んだるな充が整然とエレベーターで入場。レトロモダンな場内にはFC「るな充STATION」会員向けの特典QRコードが出迎える。大正ロマンのオペラハウスを模した東京キネマ倶楽部内はメインステージの左上にサブステージが設置され、階段で結ばれた二層式。上方から大型スクリーンが垂れたステージ上にはバンド機材が所狭しと据えられ、月をあしらったオリジナルロゴ入りドラムヘッドが目を引く。
場内暗転し、バンドメンバーが登場。それぞれが手にした花を卓上の花瓶に挿していく、『raison d'etre』の歌詞とシンクロする演出でスタンバイ。サブステージに「ALICE and the PIRATES」のゴシックなワンピースに身を包んだ春奈るなが仄かに灯るランプを手に登場し開演。スクリーンに投影された森の中とシンクロして階段を降りる春奈るなが、『煌く星の病』の歌詞から「ぼくは森へ 魔法の城を探しに行った。」「やっと見つけた、その場所で」とアカペラを響かせると、スクリーンで門が解錠音と共に開いてライトオン。紫のスポットライトに照らされ、尾澤拓実とタッグを組んだ3作連続リリース楽曲の2曲目である『幽幻廻廊』へ。るな充のペンライト「LUNAブレード」が灯す緑色に染まった客席へ向け、荘厳なメロディで「私はどこにいく? 教えて、どうか 嗚呼…」と魂の彷徨を表現する。
一転してアップテンポな『JUSTICE』の前奏で
「皆さんこんばんは、春奈るなです。『"raison d'etre"』愉しんでってください! 」
と告げ、「生きるため生きてる訳じゃない」「最後の一人になっても 掲げ続けよう 始まりの日の正義を」と熱いメッセージを伝え、相棒のぬい(縫いぐるみ)「みなみ」と共に左右へステージを動いてコールを扇動、「JUSTICE」のフレーズで天を指差す。ステージが暖色に変化し、アコーステックの柔らかな音色の『BLUE ROSE』に。ライトを青に偏光させたるな充へ、「貴方に望むことは たった一つだけ 私を思い出す時 微笑みをください」と語りかける。3作連続リリースを締めくくったジャズ調の『謳歌せよ人生』では「可もなく不可もない 汎用なセオリーは どうしょもないくらい キライなの」と挑発的なメッセージを、ステージを左右に動いて投げつける。セルフソロカバーの『S×W -soul world-』では一転してアップテンポに「今“君の思い”ד僕の願い”重ねて “不可能”なんて未来 変えてみせる」とシャウト、
「るな充声出せますかー!?」
とコールを扇動し一体となる。
「まだまだいくよ」
と声をかけての『ステラブリーズ』ではサブステージへ駆け上がり2階席のるな充と視線を交わすと、
「せーの!」
とコールを引き出し満面の笑みで場内へ見渡す。「ラッタッタ」という軽快でレトロモダンなフレーズから、3作連続リリースのトップを飾った『鏡面の彗星』へ。挑発的な視線で、「赦されない 味方しない 邪魔しないでわたし」「生まれ変わるアイと世界」「うたわれない愛とユメ 壊して」とアーティスト春奈るな新章開幕となったゴシックな世界感を唄い紡ぐ。オルゴールと共に不穏なナレーションから『煌く星の病』へ。OPでのアカペラから一転、アップテンポなメロディで「ぼくはきみを助けると誓う。」と熱唱、「“ふかいもりのおくにあるおしろには、ぼくの、しるした、しんじつ、が、ねむる”」と静かに締める。アニソンアーティスト・春奈るな始まりの楽曲、梶浦由記による『空は高く風は歌う』では、マニピュレーター・タルタノリキもギターを手にし、雄大なメロディに乗せ「いつも何よりも眩しい正しさで 叶わない明日へと人を裁く」「空は高く風は歌う 貴方が見た夢の記憶 その叫びが 優しい木霊を 返しているよ」とロングトーンを場内へ染み込ませる。
暖色の灯に包まれたステージでスポットライトを浴びての『Lightless』では「誰もが空を見上げて 幸せ歌った 僕はそのたび 耳を塞いだ」という痛切な歌詞にしゃがみ込み、「光の射さない悲しみの後で 白く染まる彼方を見ていた 痛みと共に僕も向かうから 永遠という世界で 愛していくよ」と立ち上がって天空を指し示す。ポップなアコーステックナンバー『snowdrop』ではるな充のライトが白く代わり、「すごく 好きなひとの すごく 好きなひとに なれてしまった そんな 奇跡さえ 信じきれてない ぼくらの」と微笑と共に唄う。『Startear』ではるな充のライトが緑と青のグラデーションを見せ、Sakuと共作した「もっと 強く そう 強くなりたいと願った」「遙か 遠く そう 遠く 願いを届けたい」という印象的なフレーズを響かせ、コールで一体となる。間髪を入れず『KIRAMEKI☆ライフライン』へ繋げ、ステージを左右へ移動した春奈るなは、マイクをるな充へ向け「いやいや!ちょっと待て!」と合唱、エアギターのパフォーマンスで旋回すると「頑張らなくっちゃ!」で力こぶ、「パ・パ・パラッパ」とクラップで盛り上がり
「ありがとう!」
と笑顔を見せる。
『NAKED HEART』では大塚利恵による煽情的な「ご乱心なイマジネイション」「死ぬまで死んでもずっと 塗れたい」「誰でもいい訳じゃない You Are Special」という歌詞でるな充を魅了し、サブステージに昇って熱唱。一転してポップなナンバーの『アイヲウタエ』ではピンク色のライトを掲げたるな充にVサインを振り、ステージを左右へ移動。「やっと会えたね あぁ 最初から この気持ちが 君だけに 向いてるんだって」「ねぇ、目と目を合わせたら 怖がらずに ほら 話してみよう 自分だけの 心を」と想いを伝え
「ありがとー」
と謝意を贈る。「高く高く この手を伸ばして」という至高のフレーズから始まる、自身がアーティストとしての転期と語る『Overfly』では、耳に手を当ててるな充のコールを浴びる。「数え切れない程描いた 希望に満ちたあの未来は この想いと裏腹に また少し色褪せた」と歌詞を紡ぎながら、13年間の出来事がオーバーラップしたという春奈るなは、感極まってこみ上げた涙を堪え「高く高く この手を伸ばして 優しい光を目指して羽ばたくよ 心に灯した情熱を抱いて きっと きっと って 何度も願うから」と唄い上げ大歓声を浴びる。瞳を潤ませた春奈るなは「時を刻み重ねて ぼくはうたう」と、2日前にリリースの本公演のタイトルを冠した『raison d'etre』へ。3連続リリースを受け、尾澤拓実との4作目の強力タッグ結成となった悠々たるバラード調のメロディに「あの日見た太陽が 背を向けても」「行き着く カタチは 焦がれた 夢じゃなくとも」「煌めいた 君とぼくの軌跡 未来へと 奏で続けよう この世界にうまれた歌を」と自らの存在理由を高らかに唄い上げる。やり遂げた爽やかな笑顔で
「今日はありがとうございました、春奈るなでしたー」
と手を振り、投げキッスをるな充に放った春奈るなはステージを下りた。
暗転した場内に、大「るな充」コールが沸き上がり、ライブTシャツに着替えたバンドメンバーがスタンバイ。一際大きくなったコールに応え、ライブTシャツをさらにファッショナブルにアレンジした春奈るなが登場。
「アンコールありがとう」
と、コールを扇動し、プレデビュー曲『微熱の月』へ。デビュー直前に音楽雑誌の付録として収録された楽曲が、アンコール1曲目として象徴的に響く。大塚利恵の手による「愛しい人に触れたら 何もかも道しるべ」「どんな未来へ通じる夢だとしても 迷いはしない」という情熱的な詞を迸らせる。
「という訳で、改めまして春奈るなです。アンコールで初めてのMCということで、皆さんのお顔が今日もよく見えます。お越しくださり本当にありがとうございます。愉しんでいただけましたでしょうか?(大歓声)。
去年もこの素敵な会場でライブ(2024年GWの『“Stella Sign”』)をさせていただいたんですけど、初めての試みで『MC無しライブ』というのをやらせて頂き…その空気感にるな氏がハマってしまってですね。今回も演出重視…ここのね、階段がもの凄くお洒落で。ラグジュアリーな空間の中に、るな氏の間の抜けた(笑)MCが本編に入ると、ちょっと雰囲気が壊れるんじゃないかな…って思ってしまったので。今回もバンドメンバーのみんなに無理を言ってですね、MC無しライブが実現しました。(バンドメンバーへ謝意)ありがとうございます。
(るな充へ)るな氏の喋り声、聞きたかった?(賛同の声)そうでもなかった?(笑)ええ、こんな私、春奈るなですが、一昨日5月2日にデビュー13周年を迎えさせて頂きました。
13周年だって! 13年歳を重ねたってことだよね(笑)本当に年々、感謝の気持ちというものが積もっていくんですけど。5月2日にるな氏の新しいデジタルシングル『raison d'etre』をリリースさせていただいたんですけど、聴いてくれました?(大歓声)ライブタイトルも『"raison d'etre"』ということで、ラストの17曲目で披露させていただいたんですけど。存在証明とか存在理由っていう意味がございまして。春奈るなが春奈るなとして生まれることができたからこそ、リリースすることもできた楽曲だと思っております。
デビューしてからの13年間を振り返った時に、皆さんがいてくれるからこそ、私は私になれるし、色々な楽曲が1つずつ意味を持つんだな…ということを改めて感じたので。
今日はこのライブ全体と、『raison d'etre』という楽曲で、皆さんに感謝の気持ちをね、心から伝えたかったので…来てくださって本当にありがとうございます。
13年支えてくれて…本当にるな充がいてこそのるな氏だと思うので。まだまだ先を見て、20周年、30周年、40周年、50周年、60周年、70周年とね。迎えられる様に、皆と一緒に何回もお祝いできるように、頑張って体を壊さないように突っ走っていきますので。これからも一生るな充してくれますか?(大歓声)ありがとうございます。
そしてもう一個お知らせがあります…今日はもうグッズ紹介なしでいいや(場内笑)タオルが完売したそうです(ライブ後Tシャツも完売)。ありがとうございます。
お知らせというのは、6月7日、「るなの日」って言ってるんですけど、まあ、6月は別に「る」って読む訳じゃないんですけど(中国語でLiù)…なんとなく読みそうだなと思ってる(笑)そこでええ、生配信をやります(大歓声)。
そして今日さ、めっちゃカメラある! って思わなかった?あっちもこっちもそっちも、こっち…は無い(笑)結構あるんですけど、それも何になるかは愉しみにしていただけたら嬉しいです。
そして、るな氏の誕生日知ってる人?(るな充、虚を突かれ無言)嘘でしょ?え、知らない皆?絶対知ってるよね。(前列のるな充に)wikiで調べるのやめて(場内爆笑)10月11日が私の誕生日なんですけど、なんかやろうかなって思ってるので、るな充は皆スケジュールを空けてくれると思うので、お願いします。
因みに、今日るな氏のライブ初めて来たやで! …って人どのくらいいますか?前の方は嘘ついてる(場内笑)ああ、いるいる、ありがとうございます。最近るな充になってくれた人も、以前からるな充である人も。『リア充よりも愉しい!』というのをキャッチフレーズにしてる、るな充でございますので、この先も何年も、るな氏ーと一緒にるな充をしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
と、いう訳で、アンコールをるな氏に届けてくれましたので、ラストスパートということで2曲連続でお届けしたいと思います。みんなまだ声出せますか? 体力余ってるか?それじゃあこの曲いってみましょう」
とコールを扇動し『君色シグナル』へ。「夢見たあの丘目指して くじけそうな時も 頑張れそうだよ 君がいるから」と大歓声を浴びてみなみと踊り「るな充最高!」と絶叫。サブステージへ昇った春奈るなは、みなみに手すりを歩かせ、コールを扇動して大盛り上がり。
「るな充ありがとう! ラストはこの曲、心を込めてお届けしたいと思います」
と、『TRUE STORY』へ。場内を緑に染めたるな充へ向け「今すぐに伝えたい 君が好きだよ」と想いを滾らせるとステージを縦横に巡り、
「もっと」
と声を引き出すと「心の奥 君だけを見てる」「溢れる想いを この声にのせて 迷わず 伝えるから」と熱唱、両手を大きく広げて場内総てのるな充を想いでハグし、
「せーの」
で大きくジャンプ、
「るな充最高! ありがとう」
と謝意を示す。ギターL&バンマス・Saku、ギターR・森空青、ベース・okamu.、キーボード・桑原康輔、ドラム・田辺貴広、マニピュレーター・タルタノリキのバンドメンバーとステージ前方に並び、マイクオフで
「皆さん本当にありがとうございました」
と深々お辞儀。開演時に花瓶に挿した花をバンドメンバーと共に場内へ飛翔させ、るな充へプレゼント。
「それではもう一度大きな拍手を」
と、るな充と共にバンドメンバーを見送るとセカンドステージへ登り、
「ありがとうございました。るな充を上から見るの新鮮なんだよね」
と1階客席を俯瞰して2階席のるな充に視線を送るとセンターステージへ戻る。
「さっきもお話をさせて頂きましたが、13周年を迎えさせて頂けて…デビューした当時は愉しさとかワクワクとか凄く沢山あったんだけど、恐怖とか不安っていうのも同じくらいあって。でもそれをね、るな充と、支えて来てくださったスタッフ達と一緒に乗り越えることもできて。そういうことを振り返ってみると、あ、なんか苦しかったことも、なんか愉しかったな…って思える自分になりました。
周りに恵まれて、感謝をこれからも持ち続けなきゃな…って思う気持ちが大事だなって思うので。これからも音楽を通して、感謝だったり、愉しい気持ちだったりとか…でも、そんな前向きなだけじゃなくていいんだよ、不安になったりすることも間違いじゃないんだよ…って、肯定してあげることも大事だなと思うので。
皆を、音楽という優しさで包んでいける様に、14周年を目指して、その先もまだまだ皆と歩んでいきたいなって思っておりますので。
これからもるな氏をよろしくお願いします。またお会いできる日を楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました。春奈るなでしたー」
と、締めくくった春奈るなは名残惜しそうに会場中のるな充と手を振り合い、
「帰りたくない、ここにいたい…ありがとねー春奈るなでしたー」
と、最後は笑顔でステージを下りた。
コロナ禍や様々な環境の変化などを経て、万を持して3作連続リリース出来た事で、改めて音楽と向き合い、その大切な音楽を通じて、るな充とコミュニュケーションする愉しさを実感したという春奈るな。「raison d'etre」というテーマを新曲とライブに冠し、自身の音楽、表現をるな充と分かち合った、最高のステージを魅せてくれた。
14周年、さらにその先へ、春奈るなが「raison d'etre」と定義する音楽でもたらす、リアルを越える充足感への期待が膨らむ下町の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
カメラマン:ホキモトタカフミ
『OSHI TO DATE presents HARUNA LUNA LIVE 2025 "raison d'etre"』セットリスト
M01.幽幻廻廊
M02.JUSTICE
M03.BLUE ROSE
M04.謳歌せよ人生
M05.S×W -soul world-(Solo Version)
M06.ステラブリーズ
M07.鏡面の彗星
M08.煌く星の病
M09.空は高く風は歌う
M10.Lightless
M11.snowdrop
M12.Startear
M13.KIRAMEKI☆ライフライン
M14.NAKED HEART
M15アイヲウタエ
M16.Overfly
M17.raison d'etre
EN1.微熱の月
EN2.君色シグナル
EN3.TRUE STORY
セットプレイリスト
https://lunaharuna.lnk.to/PL_raisondetre■春奈るなオフィシャルサイト
https://www.harunaluna.jp/■春奈るな/HARUNA LUNA YouTube Channel
https://www.youtube.com/@HARUNA_LUNA<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>