6月21日(水)、代官山UNITにてアニソンアーティスト・ASCAが『ASCA LIVE 2023 “No Voice, No Live”』を行った。
ソールドアウトとなった本公演、代官山に赤いライブTシャツのファンが列をなし、贈られたフラワースタンドも赤い花で彩られ、ASCAのアーティスト性の浸透を感じさせる。満員の場内は若い男性が中心ではあるが、左前方に広めに設けられた女性専用エリアにはコロナ禍明けから急増した女性ファンも詰め掛けており、幅広いファン層に支えられていることが伺えた。
開演時刻となり、楽器が並ぶシンプルなステージにバンドメンバーに続き純白のワンピースに深紅のジャケットを羽織ったASCAが登場。
歓声に迎えられると、アカペラで『このメロディに乗せて』のサビを響かせて開幕。この日へ向けた想いを象徴する様な詞を場内に染み込ませ、聴き入った聴衆からの喝采を浴びる。続いて
「はじめます」
と静かに宣言、一転してアップテンポな『進化論』へ。イメージカラーの赤いライトが乱舞し、クラップとマスク越しに解禁された声援で応える超満員のフロアと一気に盛り上がる。
「ようこそこんばんはASCAです」
と、あまりの大歓声に声を震わせながら告げて歓声を浴びると
「一緒に叫んでいきましょう」
と日本では初の声出し解禁での披露となる『Howling』へ。ステージ左右のお立ち台で扇動して「WOW WOW」のコールを沸き上がらせ、緑色のライブフラッグが振られるフロアへ熱唱を浴びせる。さらに
「皆さん益々盛り上がっていきましょう」
と、ブルース調の『いかれた世界だろ構わないぜ』を聴かせると
「声出せ代官山」
と絶叫して『NO FAKE』へ繋ぐ。モニターに映し出された印象的なフレーズをバックに
「そんなので足りると思ってるの?もっと声出したいよね!」
と、フロアを見渡して煽り、大きなコールを浴びる。
荒ぶったフロアから「社長」と呼ばれた、FC『AME』社の社長でもあるASCAは
「出来上がっちゃったね代官山」
と笑みを浮かべつつ
「大変そうだから1回ちょっと下がって水飲んでください」
と、立錐の余地も無い最前を気遣う。そして
「ソールドアウトありがとうございます」
と、満員札止めのフロアを見回して
「最高の声出し解禁ライブ、ありがとう」
と謝意を述べる。さらに
「かなり頑張ってもらったと思うので、次の曲はゆったりお聴きいただければ」
とクールダウンを促し、賛意を得る。そして、日本では1年振りのワンマンライブとなり、海外活動が多かった日々に国内のファンから忘れられてしまう不安を覚えたという心境を『Don't leave me』に籠める。続いて、白いスポットライトに照らされてバラード調の『KOE』をしっとり聴かせる。そして
「次の曲の作詞をしていた頃は自分の喉の不調が始まった頃でした。自分の存在価値が揺らいでしまったりとか、誰のことも信じられなくなってしまう時とか、誰にでも訪れる、その時の御守りみたいな曲になってくれたら良いな…と思っています」
と前置きし、自ら作詞に参加した『リンネ』を暖色のスポットライトに照らされて披露する。
熱い拍手が沸き上がり、想いが伝わった確信を得ると、一転してアップテンポの前奏が始まる。ここでASCAがジャケットを格好良く脱ぎ捨てると、モニターに現れた西川貴教との強力タッグで『天秤-Libra-』を絶唱。幻想的な光の波に照らされて高BPMの『アインソフオウル』、杉山勝彦書き下ろしの強力EDMの新曲『Stellar』(7/28より配信開始)とバイブスをさらに上げていく。
喝采を浴びたASCAは、TikTokとInstagramでのライブ配信を振り返りつつ、「最高のメンバー」ドラム・関口孝夫、ベース・okamu.、ギター・Saku、キーボード/バンマス・重永亮介を紹介。
コロナ禍で制約が多かった3年半のライブに想いを馳せつつ、「世界最強のオーディエンス」と評したファンとの声出し解禁ライブとなったことに改めて
「一緒にできて本当に嬉しく思っております。大好きやで」
と伝え、大歓声を浴びる。そして
「もう、ライブは終わりに差し掛かっております」
と告げ悲嘆の声を浴びるも、
「このままで終わって良いんですか?まだまだいけるよね東京。かかってこい代官山UNIT!」
と絶叫、賛同の歓声を受けて『CHAIN』へ。色とりどりのライトが乱舞するフロアのオーディエンスとコール&ジャンプで一体になる。さらにハイテンションな『OVERDRIVE』ではバンドメンバーそれぞれの独奏を織り交ぜ、『RESISTER』へ繋ぎ激しく盛り上がる。
ここで
「まだ終わりたくないよね。最高の思い出をのこしたいよね?」
と、初の試みとして動画撮影を解禁。
「撮りたい人、騒ぎたい人、自由で大丈夫です。撮るからには、可愛く撮ってくださいね」
と告げて大歓声を浴びると、
「一緒にギラついていきましょう!」
と宣言。数多のレンズに向けてワンマンライブでは初パフォーマンスとなる『Real Dawn』を絶唱、
「せーの」
の大きなジャンプで締める。そして撮影した動画のTikTokへの投稿を推奨、
「ASCAのライブって楽しそう!という動画」
を公式で拡散し、選ばれたファンにはプレゼントを約束し、盛り上がりを見せた。そして
「今回、『“No Voice, No Live”』というタイトルを掲げて、声のない人生なんてあり得ない! ってタイトルを掲げて、ライブを創ってきました。
今年の2月に、声帯ポリープの摘出手術を受けて、4月にそのことを発表させてもらって、今、6月じゃないですか。
私の声の状況も解らない中でこのライブに来ることを選んでくれたみんなが、信じて、信じ続けて、ここに来てくれたから、今日はあるんだ、と思います。
どんな内容のライブにしようかな、と思って。凄く曲を書きたくなって。
今日のためにもう1曲、新曲を書きました。みんなが信じてくれた、私。
私も、これからも自分とみんなを信じて歌い続けていこうと、心新たに思っております。
伝えたいことは全部、曲に書いたつもりです。
ASCAのライブにアンコールはありません。最後、この曲を受け取ってください」
と心境を吐露、新曲『No Voice, No Live』を切々と歌い上げる。
「今日は本当に来てくれてありがとうございました。また必ず生きて、お逢いしましょう、ASCAでした」
と頭を下げたASCAは
「ここで、終わると思いきや、今日は1つお知らせがあります」
と、東名阪ツアーを発表、
「久しぶりのツアーということで、今日以上の熱いライブを創っていきたいと思っていますので、絶対遊びに来てね」
と宣言、喝采を浴びる。そしてバンドメンバー、音響チーム、照明、会場スタッフ、マネージャー陣、レーベル、他関係者へも謝意を表すと
「私がさらに大きくなるために、みなさん1人1人の応援が必要だと思ってます。これからも応援よろしくお願いします。
みんなに貰っているばかりじゃダメで、私ももっと最強になって、まずは9月の東名阪ツアーに向かいたいと思います、一緒に伝説創ろうよ。
みんながいるから私が居ます。これからもついてきてください。今日はありがとうございました、ASCAでした」
と、深々と頭を下げる。
SNSネイティブ世代に刺さる気の置けないキャラクターと、高BPMの最先端アニソンから、しっとり聴かせるバラードまでの幅広い表現力というアーティスト性を感じさせたライブはこうして終演した。
声帯ポリープを手術をうけ、より新たなパフォーマンスをみせるASCA。
ASCA第2章の幕開けに相応しい圧倒的表現力に魅了された代官山の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
撮影:草刈雅之
『ASCA LIVE 2023 “No Voice, No Live”』セットリストM-01.このメロディに乗せて
M-02.進化論
M-03.Howling
M-04.いかれた世界だろ構わないぜ
M-05.NO FAKE
M-06.Don't leave me
M-07.KOE
M-08.リンネ
M-09.天秤-Libra- 百希夜行ver.
M-10.アインソフオウル
M-11.Stellar
M-12.CHAIN
M-13.OVERDRIVE
M-14.RESISTER
M-15.Real Dawn
M-16.No Voice, No Live
配信サイトセットプレイリスト
https://asca.lnk.to/NoVoiceNoLive_SETLIST■ASCAオフィシャルサイト
https://www.asca-official.com/■ASCA Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/@ascaSMEJ/featured■asca_officialtiktok
https://www.tiktok.com/@asca_officialtiktok<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>