大原ゆい子『ワンマンライブ 今夜は夢を見る』ライブレポート 2020/03/10
大原ゆい子『ワンマンライブ 今夜は夢を見る』ライブレポート
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昨年末『TOHO animation RECORDS』のレーベルフェスからおよそ2ヶ月。大原ゆい子が2月23日(日)恵比寿ザ・ガーデンホールへ凱旋、『大原ゆい子ワンマンライブ 今夜は夢を見る』を行った。


場内が暗転すると、ファンの首に巻かれたライトがそこかしこで瞬く星空を描き出し、アコースティックギターを肩から提げた大原ゆい子が登場。
着席したままという、アニソンライブのトレンドと一線を画したホールに、『時のミラージュ』、TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』2期ED『透明な翼』が響き渡る。

 

 


「お越しくださりありがとうございます、今夜は最後まで楽しめますか?」
の問いかけに観客が拍手と歓声で応えると、
「踊る様に聴いてもらえたら嬉しいです」
と、昨秋リリースの1stアルバム『星に名前をつけるとき』収録のムーディーな楽曲『星が眠るまで踊ろうよ』を披露。
続いては、客席のクラップに合わせて
「盛り上がってますか~?」
と、一転してポップなナンバー『木星バット』を軽やかに唄い最初のMCへ。

 


「2月の始めに誕生日を迎えて、チョットだけ大人になりました(笑)(おめでとうの拍手)。大人になったな~って思いつつも、昔、子供の頃に面白かったなって思ってた絵本とか好きな食べ物とか、真剣に向き合えなかったり、大人の感情で見てしまったり、大人になったら凄い忘れちゃう事とか…でも新しく思う事があったりで…悪い事ではないんですけど、色々、28歳になって…あ、言っちゃった…思いました(笑)。
音楽って、私は子供の時から好きだったんですけど、歌詞とメロディって、唄ってる人が変えなければ、何年も変わらないじゃないですか…ずっと。そこが良いところで、でも、聴く人の精神状態によって曲が変わっていくな…と思って…変わってないのに、凄く違って感じる瞬間があって…そういう風に1曲ずつ形を変えて聴いてもらえたらなと思います」
と語り、TVアニメ『宝石の国』ED『煌めく浜辺』を、ストリングスの高音をホールに響かせ、映像と共にダイナミックに披露。

 


ギターを置いての『光の淵』に続き、ピアノ伴奏だけで『205号室』を幻想的なライティングに照らされて唄うと、ジャズ調の『イエスかノーか半分か』ではコーラスの逆井寛子が高音をホールに響かせる。

 

 


ここで、デビューのキッカケとなった『映画 リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』オーディションへ向けた弾き語りの練習動画を最近見返した事を明かすと、
「私は、他人と比べて落ち込んでしまうんですけど、自分が好きな自分でいれたら、そうならなくて良いのかな…皆さんと同じ様に、当たり前の事を当たり前にして、自分が思った当たり前の事を曲に書けていけたら良いな…って、その動画を見て思いました。そんな曲です」
と、『夢の途中で』を、5年間の成長を噛み締める様な弾き語りで聴かせる。

 


『からっぽになりたい』に続いて、大原ゆい子の楽曲の多くを編曲してきたギターの吉田穣とのトークへ。
1番と2番で全く変えてくるアレンジに戸惑う、と語る大原ゆい子に
「2番で同じ事やったら負けだと思ってる、1番と同じだったら2番いらないじゃん、と思っちゃう」
と、アニソンに精通した吉田穣ならではのポリシーを披露し、会場を唸らせる。
そして大原ゆい子が
「言わないでおこうと思った事は何ですか」
と訪ねると、
「さっき(『イエスかノーか半分か』を唄い終えて)、3曲続けてお送りしてみました。は、4曲続けてだったよ。とか…」
との解答で場内爆笑。
この流れで『からかい上手の高木さん』OP『言わないけどね。』、『はなかっぱ』OP『えがおのまほう』を披露。

 

 

「この辺で立ったりしません?」
の要請で、客席も一斉にスタンディング。新年度から、NHK BSプレミアム日曜日8:30から放送中の『みんなDEどーもくん! 』のうたのおねえさん就任を報告して祝福を受ける。 そして2月16日放送回にゲスト出演した際に、
「皆さんより小さい小さいお友達が元気に唄ってくれた」
と、会場の「大きなお友達」に
「パリパリ」「パリパリ」
の合唱の練習を元気いっぱいで要求。それに応じたオーディエンスと
「セイセイ」「せんべい」
のコールから、吉田穣が実際にせんべいを食べてアレンジしたとう岩塚製菓オフィシャルタイアップソング『セイセイせんべい! 』を楽しく合唱し、そのまま『はねバド! 』ED『ハイステッパー』へ雪崩込み、「ハイハイ」のコールで盛り上がる。

 

 

「お疲れ様でした、座ってください」
と、着席を促され、客席が笑いながら腰を下ろすと、
「なんだかんだ、終盤なんですよ…」
と告げて
「えーっ」
の合唱を浴びる。


「皆さんも色々と変わる時期だと思うんですけど…最近、私は何をしている時が一番楽しいんだろうと思う時間があって。皆さんも、新しい時期になると、ちょっとやだなとか、モヤモヤするなとか、緊張するなとかあると思うんですよ。私も、緊張しい、なんで、『あー明日のライブ頑張んなきゃな…』とか、そういう事思いながら生きています。そんな時私は、自分の好きな事、音楽もそうなんですけど、心の支えにして奮い立たせているんですが、今日ここに来て下さったみなさんの心の支えになったらいいな…と思って、全力で唄わせていただきました。
この時間が、この先、『やだな』って時に思い出して、『元気になったな』って思ってもらえれば…そんな時に、私の曲を聴いてもらえたら良いなと思います」
と、映像と共に『からかい上手の高木さん2』OP『ゼロセンチメートル』、『ノスタルジア』、『からかい上手の高木さん2』最終回挿入歌『君と光』を唄い上げた。

 

 


万雷の拍手と「アンコール」に導かれ、ライブグッズの『うばば、ポケットに飛び込みたい! 』 Tシャツに着替えて登場した大原ゆい子は、
「光る物が好き」とリクエストしたという『光るキーホルダー』
「ほどよいサイズ」
という『ふらっとポーチ』『ステンレスカフェボトル』のライブグッズを告知。改めて「素晴らしい」バンドメンバー、バイオリン・多ヶ谷樹、コーラス・逆井寛子、キーボード・河内肇、ドラム・横瀬卓哉、ベース・蛇石徹、バンマス&ギター・吉田穣、マニピュレーター・高藤大樹&横山翔大を紹介する。

 

 


「お話したい事があったんですけど…良いお知らせが出来る様に頑張りますので、応援して下さい。『みんなDEどーもくん! 』見てくださいね♪」
と告げてのアンコールナンバーは、デビュー曲、『映画 リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』主題歌『Magic Parade』に続き、
「今日来て下さったみなさんが、良い夢が見れます様に…」と前置きしての
TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』1期ED『星を辿れば』を熱唱、
「帰り道危ないので、気を付けて帰って、夢をみてください。また逢いましょう~」
と笑顔で爽やかに締めた。


自由で、時に笑いがあり、音楽へのアカデミックな問いかけがあり、あるいは重厚だったりと、大原ゆい子の人柄を映し出したと思えるライブは、暗い世相に立ち向かう力となる、夢の様な時間だった。 

 

 

 

ライター:こもとめいこ♂

 

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