大塚紗英『BIRTHDAY LIVE~SAEchism! ~』ライブレポート 2020/01/31
大塚紗英『BIRTHDAY LIVE~SAEchism! ~』ライブレポート
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10年前、横浜の路上で産声をあげたミュージシャン・大塚紗英がリードギターを務めるPoppin’Partyでのオリコン週間1位という偉業を達成し、1月18日(土)横浜ベイホール『BIRTHDAY LIVE~SAEchism! ~』追加公演で凱旋を果たした。この日首都圏ではアニメライブがいくつも開催されたが、熱心な「さえチ号」クルーが多数駆け付け、会場は満員に膨れあがった。


昨秋以来となるソロライブは、全楽曲の作詞作曲を自ら手掛けたソロデビューミニアルバム『アバンタイトル』のリード曲『フォトンベルト! 』で開幕。バンドメンバーを紹介すると、衝撃的なタイトルの『キミをペットにして飼いたい』に続いて、
「『ふざけんなよ』って思った、誰にも言えない気持ちを籠めた」『Personality or Status? 』『ラストサンタクロース』を披露。

 

 

 

そして初詣で
「四捨五入したらアラサーじゃん」
と気付いて衝撃を受けた逸話から、
「所作から大人になる」
と宣言、バンドメンバーからプレゼントされた靴、上質な生地のスカート、ライブパーカーという自らの衣装を紹介。

 

辛い時
「側に居る人には笑っていて欲しい」
と思って書いたという『アンニュイが美的なのはファインダーの中だけ』『マーキング』『7月のPLAY』と唄い繋ぎ、
「楽しい、幸せな事もあったけど、夢を叶えるために全部棄ててきて、その記憶を思い出して唄ってたんですけど…(今なら)笑って唄えるのかな…」
と、時折溢れそうな涙を耐えながら『ピントは永遠に合わない』をしっとり聴かせる。

 

 

 続いて『生き様』を披露し
「生きるのって美しいよね…」
とぽつりと呟くと、
「好き勝手創ると、さっきみたいに毒々しい曲とかも創っちゃう性質なんで『ちょっと…』っていう人もいたらどうしようかなーって…可愛らしい曲を創ってみた」
という『閃光弾』で
「ラララー」
のコールを引き出し盛り上げる。

 

 

続いてミニアルバム収録の『ぬか漬け』で
「全力こんなもんですか?」
と煽り、
「最後の曲、皆、天候にも負けず横浜に来たんでしょ?さえチ観に来たんでしょ?皆の事をドン引きされるほどアイシテルよ~っ」
と宣言し、『ドン引きされるほどアイシテル! 』に雪崩れ込むと、
「アイシテル」
のフレーズに
「俺も~っ」
の絶叫を浴びて、大歓声の中で暗転する。

 

 


当然の如く会場から沸き上がる「さえチコール」に促され再臨するとTVアニメ『エッグカー』主題歌『What's your Identity?』をぶちかます。ここで『アバンタイトル』の三形態を
「めっちゃ映像付くコレ買ってネ版、真ん中、布教用」
と表現、FCサイトのオンラインショップオープンと、
「エモい」
1曲追加のFC限定版を告知する。そして同アルバム制作に関して
「拘るところは拘るけどこざっぱりやってる。と、思ってたんですけど、『拘りますね~』って言われて、『私は拘り屋なんだ! 』って知らない自分を発見しつつ命を使っていた」
と明かし、
「自信を持って、とか強がっても、正解はないし色々な好みがあるし、頑張っても届かない場所がある事も解った上で、やりたい事、幸せだと思う事、気持ちを共有してもらいたいと思って…何が言いたいかと申しますと…デビューって、初動が凄く大事で~」
と、本音を隠さず漏らすと笑いと共に
「任せろ~」
の声が沸き上がる。これにハニカミながら、
「弱みは見せたくないけど、ちょっとだけ不安です。力を貸して下さい」
と、心境を吐露、暖かい声援を浴びる。

 

 


そしてバンドメンバーから一言づつ感想を述べる事に。

 

ベース・瞳
「情熱を持っていて優しくて、紗英ちゃんの事がめちゃめちゃ大好きです。私の人生は幸せだなーって思います」

 

キーボード・岩佐結里
「紗英ちゃんは有名になって、メジャーデビュー、テーマソングとなっても、一緒にスタッフさん的な動きをやってくれる良い娘…これからも支えたいと思います」

 

ギター・つじかほ
「今日は素敵な舞台に立たせて頂いてありがとうございます。紗英ちゃんの人柄が神か…っていうぐらい(代役の自分を)気にかけて頂いて…(会場の)皆も幸せそうな顔してて、いい人の周りにはいい人が集まるんだなって思いました」

 

ドラム・mika
「福岡から出てきて…『What's your Identity?』を聴くと、辛い事も乗り越えようって気持ちにしてくれて、私の応援歌なんじゃないかと勝手に思ってて、素敵な曲を創ってくれてありがとう(会場からも「ありがとう」の声)」

 

 

 

この、メンバーからの愛の籠もった言葉に涙を浮かべた大塚紗英は、
「短いけど、けっこう長い10年だったので…そんな風に言ってもらえる日がくるなんて思わずに独りで曲を創ってたので…むず痒いです(笑)。スタートを切るのは、終わりに向かって走るって言う事だと私は思っていて、ネガティブな言葉に聞こえるかもしれないけど、どんな事も絶対終わりがあるっていうのは常に考えて生きてます。メジャーデビューのお話を頂いた時も、喜びよりも自由と責任を手に入れた…っていう強い意志の方が大きくて…今まで生きてきたもの(路上からのミュージシャンとしての人生)を1つ(区切りとして)全うする時が来たんだと思ってます。皆にも私にもそれぞれ生き方があって正解がないから、全部受け入れられると思ってないし、常に不安と闘ってるんですが、苦しい思いもしてきたからこそ、何が本当に楽しいか?幸せか?っていう事を知ってるつもりです。楽しい、喜び、幸せな気持ちを、出逢ってくれた皆に届けたい、共有したい思いでやってます。これから皆の前に立つ仕事をどれだけしていくか解らないけど、与えられた時間の中、幸せな時間を創っていきたいと思ってます。良かったらこれからも一緒に、デカい夢を追いかけてみませんか?」
と10年分の想いを語り、
「武道館に行きたい、CDJ、Mステに出たい、全国ツアー、海外も行きたい…皆と一緒に沢山夢を叶えたい! ここから一緒に始めましょう! 」
と呼びかけて『アナタ茸』『ハロー快晴! 』で会場は大爆発、最期はバンドメンバーと手を繋いで深々とお辞儀をし、会場から歓声と拍手が鳴り止まぬ大団円となった。

 

 


作品の一員として既に大成功を収めた大塚紗英は、今度は自らが舵を取る「さえチ号」を頂へ導いて行く事になる。パッションを共有するさえチバンドが声優アーティストの枠を超え、2020年代のバンドシーンの中央に躍り出る、そんな確信を抱かせる横浜の夜となった。

 

 

 

 

カメラマン・ライター:こもとめいこ♂

 

●大塚紗英 公式HP
●大塚紗英Twitter

 

 

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