
2013年の発足以後、着実にアニメ音楽シーンで存在感を高めてきた『TOHO animation RECORDS』。その記念すべき初のレーベルフェス『TOHO animation RECORDS the LIVE』が 12月27日(金)恵比寿ガーデンホールにて開催された。肌寒い師走の恵比寿にはアニメ音楽史の新たな1ページの目撃者たらんとファンが駆け付け、開場前から半袖姿の猛者もいる熱気の中、カウントダウンがスタートすると場内は総立ちになる。
(K)NoW_NAME・立花綾香&AIJによる『Fairy gone フェアリーゴーン』1期OP『KNOCK on the CORE』で幕を開けると、続いてボーカルにNIKIIEも加わって同2期OP『STILL STANDING』で場内は早くも熱気充満。
そしてNIKIIEのボーカルによる『サクラクエスト』OP『Morning Glory』『灰と幻想のグリムガル』ED『Harvest』に続き、立花綾香ボーカルによる、新春スタートの注目作『ドロヘドロ』のOPテーマ『Welcome トゥ 混沌(カオス)』が初披露された。
ここでYURiKAにバトンタッチされ、『リトルウィッチアカデミア』2期OP『MIND CONDUCTOR』に続いての『はねバド! 』OP『ふたりの羽根』ではバトミントンのラケットを手にシャトルを客席に打ち込むパフォーマンスで湧かせる。
『TOHO animation』の作品映像と共に歌える事を、
「私はアニソンシンガーじゃないと意味が無い、と言いきって活動しているので、アニメと一緒に唄えるのは本当に幸せ」
と語ったYURiKAは、衣装もピアスも指輪も作品に寄り添った出で立ちで、最新シングルから、2期制作も決定した人気アニメ『BEASTARS』 ED『眠れる本能』『Le zoo』を続けて披露。「オオオ、オオオ」のコーラスに合わせて自らハーモニカを奏でて一体感に包まれて前半戦が終了した。
ここから、フェスならではのコラボコーナーへ。
YURiKAとNIKIIEが
「入れ替わってる~?」
の掛け合いで湧かせると、東宝の大ヒット劇場アニメ『君の名は。』より、(K)NoW_NAME&YURiKAで『前前前世』を熱唱、会場もクラップで盛り上がる。
続いて『君の名は。』から立花綾香&NIKIIE&大原ゆい子で『なんでもないや』をピアノオンリーでしっとりと唄い上げる。
同じく東宝の劇場作品『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』から『打上花火』を佐伯ユウスケ&大原ゆい子が歌唱。
そして締めくくりにYURiKAがピンクのワンピースに衣装チェンジして登場。
「コラボなのに独りです」
と自嘲しつつ、
「どうしても唄いたい」
と懇願したという『弱虫ペダル』の劇中歌『恋のヒメヒメぺったんこ』で会場をメロメロにしてコラボコーナーは終了となった。
そして佐伯ユウスケが再度登場して後半戦へ。
「『ミスター弱虫ペダル』というあだ名がつきかかった」
と言う佐伯ユウスケは『弱虫ペダル GLORY LINE』の2期OP『ダンシング』を熱唱、オーディエンスもクラップ・ヘドバンで応えて盛り上がると、『弱虫ペダル NEW GENERATION』2期ED『タカイトコロ』、1期ED『ナウオアネバー』と疾走する。最後は最新シングルから『Dr.STONE』2期ED『夢のような』で締めくくる。
そしてマイクを受け継いだ大原ゆい子がアコースティックギターを手に登場。最新シングルの表題曲であり、『からかい上手の高木さん2』OP『ゼロセンチメートル』で透明感ある声を響かせる。続いてエレキギターに持ち替えると『はねバド! 』ED『ハイステッパー』を熱唱。
そして『からかい上手の高木さん2』最終回の、花火大会の映像に合わせ、挿入歌『君と光』をしっとり唄い上げる。
「次で最後になります」
のお知らせにあがった
「えーっ」
の声に
「ありがとうございます」
と返すと、
「こういう挨拶は凄く向いていない人間なんですけど…」
と言いつつ、
「(新規レーベル故の)デビュー間も無い頃の寂しさ」
を振り返り、徐々に人が増え、レーベルとしてフェスが開催できた事に『TOHO animation RECORDS』での最古参としての感慨を見せた。そして師走に駆け付けたファンへ感謝を述べると、2020年にさらなる飛躍を誓い拍手を浴びる。そして『からかい上手の高木さん』OP『言わないけどね』で
「せーの」
のかけ声で一斉にジャンプをし、終演となった。
しかし鳴り止まぬ拍手がアンコールに変わり、全員が再度登場。
「アットホーム」「親戚の集まりみたい」と、会場の暖かさを評しつつ、ギター大内慶、キーボード荒幡亮平、ドラム一ノ瀬久、ベース川島弘光が紹介される。「難曲ばっかり(一ノ瀬久・談)」をものともせずに一緒に駆け抜けたパフォーマンスに大きな拍手が贈られた。
ここで、
大原ゆい子
2月23日(日)恵比寿ザ・ガーデンホール『ごにょごにょ、ららら』『今夜は夢を見る』
佐伯ユウスケ
1月11日(土)Veats SHIBUYA2ndワンマンライブ『ウラオモテンション2』
YURiKA
2月22日(日)恵比寿ザ・ガーデンホール 『Shiny Stage〜今年は全曲できるのか!?〜』『YURiKAの3周年を祝おうの会』
(K)NoW_NAME
3月14日(土)4th Live『おはよう混沌』
と、それぞれからワンマンライブの告知が行われ、日付を訪ねると、即レスポンスが返ってくるという驚異の集中力を見せるオーディエンスに出演者も感嘆の声を漏らす。
そして『血界戦線』ED『シュガーソングとビターステップ』を全員で唄い、最後は全員でジャンプして締めくくった。
ここでそれぞれからメッセージが贈られる。
(K)NoW_NAME 立花綾香
「2019年のライブ納めがこの場所で良かったなと思っております、2020年もっと盛り上がっていきましょう! よろしくお願いします」
YURiKA
「今日のライブで、やっぱりアニメが好きだなあ…っていうのと…作品を、アーティストを、音楽を、愛している皆さんと時間を共有出来るっていうのは本当に楽しいな! と思いました。アニソンシンガーとしての誇りと自覚を持って進んで行きたいと思います」
佐伯ユウスケ
「レーベルでこうして肩を並べて出来る事って、中々ないと思うので、自分自身にとっても貴重な経験になりましたし、皆さんにとっても結構レアだったんじゃないかと思っています。本当に良い、年の暮れになりました」
大原ゆい子
「『TOHO animation RECORDS the LIVE 2019』と言う事で、レーベル皆さんと、来て下さった皆さんと共に創るライブは、ここだけ、今日だけ、一生無いという想いで、命を賭けて唄わせて頂きました。来年も皆、命を賭けて音楽を続けていくと思いますので、是非応援して頂けたらと思います。良いお年をお過ごし下さい」
そして全員で最後に会場へ向けて
「本当に本当にありがとうございました」
と改めて御礼を述べ、「またね」と、待望のレーベルフェス第1幕は終了となった。
レーベルとしての初のフェスの開催を終え、『TOHO animation RECORDS』として、まずは2020年1月期の新番組『ドロヘドロ』に全力投球となるとの事。アニメファン要注目の1作となりそうだ。
ライター:こもとめいこ♂