未来を語るすべての革命家たちに

 2024年4月24日に“十明”がDigital Single「NEW ERA」をリリースしました。同曲は、国際ファッション専門職大学 2024年度新TVCMソングです。新たな世界を切り開こうと自身を奮い立たせている“夢を追う全ての人へ”向けて制作。誰しもがその世界の主人公になり得るのだという、十明自身の思いも込められた1曲。ソリッドな重低音にエキゾチックなビートが、力強くもしなやかな十明の歌声を鮮やかに彩ります。
 
 さて、今日のうたではそんな“十明”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「NEW ERA」にまつわるお話です。自身が初めて“誰かのため”に作ったというこの曲。斜に構えがちな自分だからこそ、たどりついた思い、そして声に出して届けるべき言葉は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



今回リリースした「NEW ERA」は、私が初めて自分ではない誰かのために作った楽曲です。
 
誰かのために曲を作るというのは、私にとって少し不思議な感覚でした。私の作る歌はいつも独りよがりで、自嘲と皮肉が主要成分でした。「私」を押し出した音楽が、あわよくば誰かの心に触れ、擦り傷にでもなればいい、そう思っていました。全て私の中だけで完結し得る音楽だったのです。
 
なので、国際ファッション専門職大学さんからタイアップのお話をいただいた時、どんな気持ちや言葉を届ければいいのか戸惑いました。斜に構えることが癖付いていたためか、前向きな言葉に少し抵抗があったり、never give upなんて胡散臭いな、とか色々思ったりもして。
 
ノートに並んだたくさんの言葉にがっかりしました。
 
「頑張れ」
「夢に向かって頑張ろう!」
「諦めないで」
 
こんなの私じゃない。
ヒーローみたいな甘ったれた言葉を歌いたいわけじゃない。
 
結果、
 
「遊びたいならお先にどうぞ」
 
というような悪役さながらの煽り文句が出てきたのでした。
 
私は期待に応えるだけの受動的ヒーローなんかじゃなく、世界の予想を裏切るような革命を起こす、自称救世主のような狂気をもってしてこの曲を歌いあげようと思ったのです。
 
 
私は歴史上の人物や御伽噺をもとに楽曲を制作することが多いのですが、今回はフランスの運命を変えた「ナポレオン」のイメージをこの楽曲に落とし込みました。
フランスのために闘い、フランスのために死んだ男、彼の名言の一つに
 
「愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る。」
 
というものがあります。
夢なんて綺麗な言葉だけでは片付けられない未来を語る我々こそ、未来を変え得るのだと私は思います。
 
この曲は、望みを叶えるために孤独を選んだ、傷だらけになりながらも戦うことを選んだ革命家の歌です。
未来を見据える瞳に迷いなど必要ないと、自らを鼓舞するような言葉たちを吐き出しました。心の内側の言葉ではありません、声に出して届けるべき言葉たちです。
 
未来を語るすべての革命家たちにこの曲を送ります。

<十明>



◆紹介曲「NEW ERA
作詞:十明
作曲:十明