時は2020年、私たちはまたひとつ、たくましくなった。

 2021年2月10日に“Awesome City Club”が、ニューアルバム『Grower』をリリースしました。今作には全10曲が収録。アルバムタイトルは、前作『Grow apart』でそれぞれ成長した彼らが、今度はその証を聴いてもらえる人たちに伝えていく、与えていくという意味を込めてつけられており、成長、決意を感じられるアルバムとなっております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Awesome City Club”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾です。執筆はメンバー・PORINが担当。今作の収録曲「僕らはこの街と生きていく」に通ずる想いを綴ってくださいました。この街に、この時代に生きているすべてのひとへ。このエッセイと歌詞が届きますように…!

~歌詞エッセイ第2弾:「僕らはこの街と生きていく」~

時は2020年
私たちはまたひとつ、たくましくなった。
時代は変わったというが
全て地続きで意味のあることだった。

ある人は自然を愛でるようになり、
ある人は孤独を知り他人を想うようになり、
ある人は多様性に耳を傾けるようになり、
人々の心は豊かになった。わたしはそう思う。

未知なるウイルスは
いつだって平等に私たちを不安にさせる。
だけど
光を反射させた花木は
いつだって平等に私たちに癒しを与えてくれた。

不確かなものに溢れた世の中で、
確かなことは目の前で光り輝いていたのだ。
あらがうことは意味を持たず、
互いを許容し共存していく覚悟が必要。
そんな当たり前なことを
私たちに気づかせてくれたようだった。

そんななか、歩みを止めることなく進んできた私たち。
振り返れば数えられないほどの選択をしてきた。
すべての選択が正しかったのかは誰にもわからないけど
確かなのは、今、私たちは光り輝いているということ。
光を受けて花を咲かせようとしているということ。
大きくても小さくてもどんな色でも匂いでもいい。
ずっと水をやり続けてきたから、
どんな花だって愛せる自信がある。
やがて、色や匂いをなくしても息吹は繰り返される。
刹那は形を変えて繰り返される。
命を絶やさないようにさえしていれば。

足りない部分を補うように、
互いを許容し共存している私たち。
そんな毎日は奇跡のよう。

自然の摂理に導かれるように、
光の差す方へ
これから3人で最高の絶景を見にいきたいと思います。
この街と共に。

いってきます!

<Awesome City Club・PORIN>

◆紹介曲「僕らはこの街と生きていく
作詞:PORIN
作曲:HIKARI

◆ニューアルバム『Grower』
2021年2月10日発売

<収録曲>
1.勿忘
2.tamayura
3.Sing out loud,Bring it on down
4.ceremony
5.湾岸で会いましょう feat.PES
6.記憶の海
7.Nothing on my mind
8.Fractal
9.僕らはこの街と生きていく
10.夜汽車は走る