プロの作詞家たちが“詩を書くこと”を選んだ理由とは?第3弾!

大切なのはどんな選択をするのかじゃない。
自分がした選択を強く生きるかどうか。
(ドラマ『サバイバル・ウェディング』より)


 ひとはそれぞれ様々な選択をしますが、人生において“詩を書く”という選択をし、その道を強く生きている方々が“作詞家”です。さて、歌ネットにはそんなプロの作詞家たちに“作詞論”を語っていただく『言葉の達人~伝えるための作詞術~』というコーナーがございます。2018年4月のリニューアルを経て、現時点で計184名の達人がご登場。
 
 では、その言葉の達人たちが“詩を書く”という選択をした理由には、一体どのようなものがあるのでしょうか。そこで今日のうたコラムでは『言葉の達人』ダイジェストとして【Q.なぜ“詩をかくこと”を選んだのでしょうか】という質問に対する回答を厳選!【第1弾】~【第3弾】に分けて、お届けいたします。本日はラスト【第3弾】です!

<第108回:相田毅さん>

~代表作~
代表作
「俺たちに明日はある」/SMAP
「サクラ咲ケ」/嵐
「大阪ロマネスク」/ 関ジャニ∞
など多数。

A.音楽が好きだった…音楽のそばにいて、いい音楽が生まれる瞬間に携わっていたかった。レコード会社に入ったのもそのため。で、コピーライターをしていたんだけど…コピーより歌詞の方が、もっと音楽の根幹にいられると思ったのね。感動の爆心地にいたかったんだ。

<第119回:MOMO"mocha"N.さん>

~代表作~
「忘れないよ」/青山テルマ
「The Meaning of Us」/安室奈美恵
「The Answer」/三浦大知
など多数。

A.子供の頃から、心で感じていることを言葉で忠実に現せた時のきもちよさというか、安堵感のようなものがありました。パーソナルな悲しみや、話す宛のない感情を歌にして手放して行くことで救われる自分がいて、今に至ります。

<第125回:SPINさん>

~代表作~
「BANG THE BEAT」/氷室京介
「Love So Sweet」「MONSTER」/嵐
「Keep the faith」/KAT-TUN
など多数。

A.自分が歌えないからですね(笑)。もし僕が、自分が歌いたいように歌えたら、誰かの言葉を自分なりに解釈して、自由に歌ったでしょう。でも哀しいけど、僕の歌声は、僕が望んだ声じゃない。だからその気持ちを、メロディーの力を借りて、前向きな力に変えて、言葉にしているんです。だから、メロディーがないと、とたんに哀しい言葉が裸で並んでしまう。もし良かったら、僕が書いた長編自由詩「マリア」を読んでみてください。僕の哀しみだけがあふれていて、我ながら目を背けたい程つらくなる(笑)。でもそれが僕自身だから、正直に付き合っていかないと。

<第127回:Mio Aoyamaさん>

~代表作~
「Mission of Love」「New Day」/V6
「Love@1st Sight」/AAA
「風花便り」/Do As Infinity
など多数。

A.幼少の頃から、音楽、小説、映画、マンガ、ゲームなど、エンタメ全てが大好きでした。特に音楽は、迷ったり、悩んだりした辛い時期には、そっとキズを手当してくれる包帯でした。私は作詞家以外に、小説や童話、脚本の仕事もしているのですが、これらは呼吸することと同じで、選んだ、という感覚はありません。単純に、中二病をこじらせただけかもしれませんが。

<第139回:RUCCAさん>


~代表作~
「楔-kusabi-」/KAT-TUN
「わすれもの」/テゴマス
「STORY」/AAA
など多数。

A.「鬱屈した日常」「未来への閉塞感」「誰かより劣っているという思い込み」こそ、原動力だったかもしれません。あとは、教育熱心だった会社員の父と相容れず、間逆の生き方を模索した結果ですかね。(今では一緒にお酒も飲みます)

<第147回:高橋久美子さん>

~代表作~
「空のカーテン」/ももいろクローバーZ
「泣き虫ファイター」/東京カランコロン
「シャングリラ」「風吹けば恋」/チャットモンチー
など多数。

A.中学生のときの国語の授業で詩を作っていたのですが、それ以降、詩作にはまって授業以外でも詩を書くようになりました。一番身近で奥深い芸術だと思っています。

<第153回:カミカオルさん>

~代表作~
「Wishful Thinking」/SHINee
「Forever Together」/三代目J Soul Brothers
「Blow You Away!」/三浦大知
など多数。

A.敢えて選んだ記憶はないですが、気づいたら考えや想いをつらつら書くのが好きでしたし、混乱しやすい自分が整い、心が落ち着いていたので「言葉」はずっと理解者でした。本も好きですし、空想の世界にずっと浸っていたい夢見る子ちゃんだったかもです。コピーライターになりたい、と中学生のとき思った記憶もあります。

<第155回:只野菜摘さん>

~代表作~
「Chai Maxx」「仮想ディストピア」/ももいろクローバーZ
「ORANGE RIUM」/でんぱ組.inc
「episode Solo」/アイカツスターズ!
など多数。

A.自分という樹が1本あって、何になるのかはわからないけれど彫っていったら、いつの間にか「もしかしたら作詞家なのかもしれない」という形になり、今も彫り続けているかんじです。

<第159回:山本加津彦さん>

~代表作~
「好きな人がいること」/JY
「空」/JUJU
「赤い糸」/手嶌葵
など多数。

A.「詩を書く」という気持ちでいると、この世界への感じ方が変わるんです。今まで何も感じていなかった、例えばビルの色、電車の音、他人、また、時を超えてその場所での何10年も前や、未来を想像して、そこに何があるんだろう、とか考えたりするようになります。詩を書くことは、虚しいと思っていたこの世界に、酔いしれる方法の一つです。

<第167回:ヤマモトショウさん>

~代表作~
「今夜がおわらない」/ふぇのたす
「ダンス・ファウンダー」/フィロソフィーのダンス
「とびきりのおしゃれして別れ話を」/SHE IS SUMMER
など多数。

A.バンドをやろうと思った時に、普通はボーカルが書くことが多いかと思うのですが自分で書いたほうがよいものができるなと思ったので書きはじめました。作詞というのは音楽の素養と、文や詩をかくという素養の両方が求められていて、これは面白いなとすぐに思い、それ以来試行錯誤していますが、ずっと続けています。

 言葉の達人たちの十人十色な回答、いかがでしたでしょうか。もしかしたら今、あなたの胸の内にある“何か”もいつか“詩を書く”という選択に繋がるのかもしれません。尚、最新版の『言葉の達人』第184回にはHYの仲宗根泉さんがご登場。是非、こちらもチェックしてみてください…!

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