アーティストが歌詞に好きでよく使うワードは…?【前編】をお届け!

 以前、うたコラムで『歌詞で、あえて使わないように意識しているワードはありますか?』という質問に対する、10組のアーティストの回答をご紹介いたしました(記事はコチラ!)。たとえば、ポルノグラフィティの新藤晴一さんは「風」や「空」といった使いやすい言葉。大塚愛さんは“綺麗な言葉”など。ビッケブランカさんは“形容詞”です。
 
 そこで今日のうたコラムでは、反対に『歌詞に好きでよく使うワードはありますか?』という質問に対する回答を過去インタビューをもとに【前編】と【後編】に分けてお届け!今回はその【前編】です。答える前に「今まで意識したことがなかったけれど、よく考えてみると、多く使っているかも!」とおっしゃっていた方も多々。是非、様々な『好きな理由』にもご注目ください。


<坂口有望>
<いつか>ですかね。この言葉は「いつか~したい」って未来を意味することもできるし、「いつかの~も」って過去を意味することもできる、不思議な目線を持つ言葉やなと思っていて。それをよく歌詞の一番と二番で使い分けたりして遊んでいます。言葉遊びが好きなんですよね。


<スカイピース・テオ>
<僕>と<君>だね。二人でよく即興ソングとかも動画撮影するんですけど、やっぱり90%くらいの確率で僕らの曲にはそのワードが入っています。自分たちは今、誰かに伝えたいという想いが一番大きいので<僕>と<君>が欠かせなくなってきちゃうのかな。やっぱり歌詞には嘘をつけませんね。


<絢香>
よく使う言葉かぁ…。意識はしたことはなかったんですけど<空>に関するキーワードが多いかもしれない。希望を感じたいときには空を見上げるし、悲しいときには空が泣いているし、昔から自然とよく使ってきました。そういえば、今回のアルバムでも「センチメント」の<曇り空をかきわけ>とか、「365」の<雨のち晴れのち 曇り空でも>とか、書いていますね。感情を空模様天気で表すことが好きなんだと思います。


<HY>

新里 キーワードはありますね。僕は<風>かな。

仲宗根 あ~、じゃあ私は<あなた>ですね。やっぱり一人の人間のことをものすごく想いながら書くので、自然とそういう風になります。だけど、ヒデに歌わせる曲のときは<君>にするように意識しているかな。なんか、ヒデにバラードを書くときって、いつも不思議な感覚があって。こう…私ではないんだけど、ヒデでもない、中性的な主人公がいるんですよ。その主人公が歌っている。でも、自分がバラードを歌うときは、完全に自分寄りの女性が感情を持って歌います。


<緑黄色社会・長屋晴子>
最近は本当に<愛>という言葉がよく出てきますね。意識的に書こうと思っているわけじゃないんですけど、気づいたら出てくるから、そういう時期なんだと思います。


<Official髭男dism・藤原聡>
語感が気持ちよいからなんでしょうけど<知るよしもない>というフレーズがよく出てくる気がします(笑)。「ノーダウト」にも使っているんですけど、今作りかけの仮歌詞にも登場していて、スタッフさんに「聡っちゃん<知るよしもない>って好きだよね~」って言われました(笑)。


<MACO>
<夢>かな。夢物語とか、夢の中とか、タイトルも「朝もお昼も夢の中も」とか「二人は夢みるマーメイド」とか。あと前のアルバムでは「夢見る私を笑わないで」って曲もあったし。どうしてだろう、夢占いとか好きだからでしょうか!あとは<今日>ですね。この瞬間を切り取るというか、今日も思っているということを描いていることが多いと思います。


<androp・内澤崇仁>
一番多いのは<光>ですかね。ほとんど“前に進む指針となるもの”を表現するために使っています。でもやっぱり、すべての言葉に対して、人それぞれ感じることって違うじゃないですか。そのなかでもとくに、僕にとってはこの<光>という抽象的なものが、一番大きな存在なんだと思います。


<大塚愛>
<雨>は頻繁に使います!雨って、必ず降るけど必ず上がるものであり、周りから自分を消してくれるカーテンでもあり。あと<傘>を差せばちょっとオープンな個室にもなりますよね。だからラブソングは<傘>が登場するだけで、ロマンティックで危ない匂いがする特別な空間になったり。雨に濡れるだけでエロさが増したり、使い勝手が良いんです。


【後編】に続く!