渋谷のプレミアム・ライブで新曲お披露目!

 初の洋楽カバー・アルバム「FAMOUS MICROPHONE」のリリースを記念し、“鬼束ちひろ”の約10年ぶりとなるインストア・ライブが6月6日東京・タワーレコード渋谷店にて開催された。

 忌野清志郎氏のロック葬の司会で知られる高橋 ROCK ME BABYの「カバーをできるのが本物のアーティストなんだ!」という呼びかけに、至近距離でのプレミアム・ライブにチケットを勝ち取ったファンが応えて、鬼束ちひろが登場。彼女がタック&パティの名カバーで感銘を受けたというシンディ・ローパーの名曲「Time After Time」から幕を開けた。続くMCでは、「今日は声が枯れてるけど、それもプレミアム!」と語り、サブタイトルの「生たまごを堕として」は自身の楽曲「帰り路をなくして」のパロディであることや、プレミアムのため身につけてきたという「壽」と書かれたイヤリングを披露、リラックスしたムードで会場を湧かせ、「天才ピアニスト富樫春生!」とメンバー紹介。

 「せっかくのプレミアムなので、アルバムとは一味ちがった表情で。」という彼女のファン・サービスにあふれたプレミアム・アレンジで、プリテンダーズの「Brass In Pocket」はダンサブルに、ジョン・デンバーの「Take Me Home,Country Roads」はアカペラからカントリーな雰囲気で、続くイーグルスの「Desperado」では「I'm still desperado.(私はまだならず者よ。)」とボブ・ディラン風にしっとりと歌いあげた。本編最後のカーペンターズ「I Need To Be In Love」は、敬愛するエイミー・ワインハウスばりのハスキー・ボイスでアップ・テンポなアレンジに会場が一体となった。

 アンコールでは司会の高橋 ROCK ME BABYが「Desperado」の詩を紹介し、鬼束ちひろが再登場。「最近とんでもない“ろくでなし”に出会って」と話して、アンプラグドのアコースティック・ギターで新曲の「Wasted」を弾き語った。鳴り止まない拍手に、司会の高橋 ROCK ME BABYの呼びかけで再々登場。ザ・ビートルズ「Mother Nature's Son」は映画「I am Sam」、レーナード・スキナード「Sweet Home Alabama」は映画「フォレスト・ガンプ」 、ジョン・デンバーの「Take Me Home, Country Roads」はスタジオジブリの映画「耳をすませば」で出会ったことなどカバー・アルバムの制作秘話を明かし、「このあたりでドロンさせていただきます!」と惜しまれつつもプレミアムなステージを後にした。

 さらに会場の外で出待ちしていたこの日誕生日迎えたファンに急遽「バースデー・ソング」を生歌でプレゼントするなど、最後まで彼女のファンへの熱い想いと風通しのよさを感じた一夜となった。