泣いて笑って、愛し愛され、命を刻んでゆくあなたへ。

 女性シンガーの“MACO”が2017年11月15日に3rdアルバム『メトロノーム』をリリース!彼女の楽曲は、これまで数多く歴代人気曲に認定されており、切なさを兼ね備えた柔らかな歌声もリスナーから愛され続けております。さらに実際にお会いしてみると、可愛らしい笑顔や温かい言葉が始終、素敵…!ちなみに、MACOさんはTwitterでもほとんどネガティブなツイートをしないのです。ですが、悩みや落ち込むときがないわけではありません。様々な出来事を体験し、いろんな感情を痛感したからこそ、生まれた曲たちへの想い、ぜひ受け取ってください。

(取材・文 / 井出美緒)
Sweet Memory 作詞:MACO
作曲:MUSOH, ERIK LIDBOM, LISA DESMOND
壊れるほどに愛してるけど これから先も二人は友達
出会わなければ良かったなんて 言えない... 好きだよ my baby
涙滲んだ sweet memory
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スランプに陥るのは、歌詞を書くときが多いです。

―― 先日、Twitterで『3年前の今日9月18日は、私が上京した日らしい。「行ってくるね、大丈夫だから」と言いながら家を出発したらしい』とツイートなさっていましたね。

ママからLINEが来て『3年前の今日、MACOは「大丈夫だから」って言って出て行ったんだよ。そのときのこと全然覚えてないでしょ?』って書いてあったんですよ。本当に全然覚えていませんでした(笑)。まったく不安もなく、普段どおりに「行ってきまーす!」って感覚だったんですよね。ママは心配していたんですけど、MACOはそんなに心配する必要ないからって思っていたし、好奇心の方が大きかった気がします。なんか、あれからもう3年かぁ…って感じますね。

photo_01です。

―― 上京する前は北海道にいらっしゃったんですよね。当時は22歳でしたが、就活などはせずに音楽の道へ行こうと決めていたんですか?

いえ、もう社会人になっていて、仕事をしながら地元でライブをしていました。そうしたらライブハウスで「上京しませんか?」と声をかけてもらったんです。もちろん少しは迷いましたけど、でも行った方が絶対に良いという予感があったので、「上京します!」ってわりと軽い気持ちで行きました(笑)。それからYouTubeでのカバー動画があんなにたくさん知れ渡ったりして、夢がハイスピードで叶っていくような感覚がありましたね。

―― そのお話から、とても前向きで行動的な生き方が伝わってきます。そういえばMACOさんはSNSにもほとんどネガティブなことって書かないですよね。

たしかにそうですね!あまりネガティブな言葉を書く習慣がないのかな。あと、SNSの使い方ってアーティストさんみんなそれぞれで、本当に赤裸々に全てを書く人もいらっしゃいますよね。MACOは多分、その中間にいると思うんです。パッと思いついたことを深夜にツイートしたりもするんですけど、ネガティブなことは広がってもいいことがないので書かないように意識しているところもあります。でも、たまにはそういう弱音も綴った方がいいのかもなぁ~と思ったりもしますね。

―― MACOさんは主にどんなことで悩んだり、スランプに陥ったりするのでしょうか。

あ~、歌詞を書くときが多いです。みんなからあんまり「良いね!」って言われないから…(笑)。

―― そんなことはないでしょう!歌ネットでは歴代人気曲ばかりですよ。

いやいや、まだ曲が世に出る前に、MACOがその歌詞を初披露すると、スタッフのみんなが「ん?」ってなるときが結構あるんですよ。だから今もその瞬間が一番緊張しますね。でもファンのみんなが聴いて「ん?」ってなる状況が一番怖いので、リリースされる前にものすごく試行錯誤します。自分が信頼できるスタッフの方たちと、その歌詞の最高到達地点まで行けるように作り上げてゆきたいという気持ちが、最近より強くなっています。

―― 歌詞はリリースタイミングでいうと、いつ頃が一番悩んでいましたか?

う~ん、『FIRST KISS』や『love letter』あたりでもかなり悩んでいましたね。私はいつも100%自分が書きたいことを書いているんですけど、ニュアンスとか言い回しが、他の人に伝わりづらいことも多いみたいで。この表現じゃダメなんだって気づかされるというか。そういうときに「こうしたらもっとたくさんの人に届くよ」というアドバイスをいただいて、頭を悩ませながら改善していきますね。自分の言葉で伝えたい。でもたくさんの人に届けたい。その両方のバランスを取るのは大変ですけど、今は一番そこが大切ですかね。

―― ブレイクのきっかけは、テイラー・スウィフトの楽曲の日本語カバー動画でしたが、今はもう完全に“MACO楽曲”の個性というものが確立しているように思えます。

ありがとうございます。自分でもその手ごたえは感じていますね。最初にMACOの音楽の軸みたいなものが決まったのは…やっぱり「LOVE」でしょうか。あれがカバーではなく、MACOとして初めて表題曲で出した曲だったので、たくさん反応をいただけたことはすごく自信に繋がりました。

―― ご自身で、MACOの音楽の軸とはどういったものだと思いますか?

やはり歌詞。あと、その「LOVE」のときに楽曲を提供をしてくださった“MUSOH”さんという方と、今回のアルバムまでずっといろんな曲をやらせてもらっているんですけど、自分でも知らなかったMACOのよさを引き出してくださるなってずっと感じていて。そういった音楽家の方と作ることによって、ファンの方々に「あぁこれがMACOだな」って認識してもらえるような“らしさ”が出来上がっているんだろうなって思います。

―― また、MACOさんの歌声は、優しくて柔らかくて、ラブソングにピッタリだという武器でもありますね。

もともとは自分の声があまり好きではなかったんです(笑)。なんというか…この甘ったるい声が。昔はすごくハスキーな声質に憧れていたので。だけど、みんなに歌声が良いよねって言ってもらえるようになってから、自分で言うのも恥ずかしいですけど“切ない”を兼ね備えているのかもしれないと思えるようになりました。あったかいだけじゃなくて、どこか切ない。そういう歌声を持っているからこそのラブソングを歌いたいですね。



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