まなびや

今、ヘルメットの海をかきわけながら
大きなカタピラが朝をかき乱した

苔むした母校を道路にするために
正義のかぎ爪が宙を舞い踊った

嗚呼人々のためと
未来の街のためと
あの頃の笑い声
はしゃぐ声 みんな 奪って

再開発の波が奏でた調べは
悲鳴のような校舎が千切られた音

時代のせいだと声を震わせたまま
握った拳の先は行くあてもない

嗚呼せめて最後まで
君を焼き付けたい
昭和の残骸に
僕は今ひとり立ってる

今、朝の喧騒がまるで嘘のように
ゆっくりカタピラが
夕陽に消えていく

ありがとう 決して忘れないよ さよなら
また一つ歴史が静かに消えてった

僕のまなびや
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