少年と地図

息を切らして駆ける坂道
汚れた紙切れその手に握りしめながら
大声を上げて 形振り構わず
秘密基地のドアを押し開けてきたんだ

「遂に見つけたよ、二人の冒険を。
 時間は待ってくれないんだ!」

あの日 見せてくれた宝の地図は
どこまでも希望に満ち溢れていて
僕は信じてない振りをしていた
本当はね 今もずっと信じ続けてるんだよ
君を

一緒に連れていってほしいと
言いたかった でも怖くて言えなくて
それでも行くと笑顔で君は
秘密基地のドアを飛び出していったんだ

それから何度も後悔の夜を過ごし
気付けば荷物を纏めてた

あの日 笑いながら言ってくれた事
「夢じゃない、必ず見せてあげるから。」
僕は信じてない振りをしていた
それでもね その言葉に今も支えられてる
だから生きている

それから僕も色んな世界を感じてきた
少しは大人になれたかな

あの日見せてくれた宝の地図は
擦り切れて今はもう見えなくなってても
僕は覚えてるよ鮮やかなままに
指し示すその先に何があるのかを
今も探し続けて

君があの日伝えたかった事が
今なら少しだけ分かるから
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