金木犀よ

そばにいたかったけど
迷惑かかるから
気づかれないように
このまま 消えます

置き手紙を読んだら
あなたは怒るでしょう
私の旅立ちを
きっと 叱るでしょう

金木犀よ
名残が惜しいよ
金木犀よ
匂いある限り

生まれ育った街へ
今さら帰れずに
2つ 手前の街
暮すつもりです

誰かが言っていたわ
ふしあわせって奴は
慣れてしまった方が
もっと ふしあわせ

私以外の誰か
泣かせたくはないの
涙を見るなら
流す方がいい

金木犀よ
覚えてて欲しい
金木犀よ
季節が 過ぎても……

どこかの風の中に

あなたがいるような
なつかしい匂いを

ずっと 探すでしょう

金木犀よ
名残が惜しいよ
金木犀よ
匂いある限り

どこかの風の中に
あなたがいるような
なつかしい匂いを
ずっと 探すでしょう
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