霧雨海峡

雨の出船は おんなを泣かす
心細さを つのらせる
好きなのに… 好きなのに…
あなた行くのね 夜明けの船で
「ひとりで待つわ 信じて待つわ」
声も消される 霧雨海峡

海猫(ごめ)の数ほど 愛してくれた
胸を想い出 過(よぎ)ります
倖せを… 倖せを…
いつも私は 夢みていたの
「忘れはしない 責めたりしない」
かすむ船影 霧雨海峡

雨はいつ止む こころの雨は
こぼす吐息の せつなさよ
好きなのに… 好きなのに…
おんな未練は 大波小波
「帰って来てね 迎えに来てね」
追ってゆけない 霧雨海峡
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