失恋レシピ

人を好きになんてならなきゃよかった
だって出会わなければ別れも来ないから
君の涙なんて知らなきゃよかった
そしたら笑顔でさよならできたのに

今でも時々そう思うことがあるよ
そしてそんな自分がとても嫌いです
君を悪者にすることで
自分を慰めてた俺が嫌いです

いつか二人で行った夜のドライブ
はしゃぎ疲れて眠る君の横顔
初めて守りたいってそう思った
あの日言えなかった言葉

「出会ってくれてありがとう
愛してくれてありがとう
こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」
今なら言えるのに 素直になれるのに
どこを探しても 君はもういない

一人でいるよりも 人ごみのほうが
孤独を感じる不思議なこの都会(まち)で
俺はそれなりに元気でやってるよ
でもね たまにふと恋しくもなるよ

いつも君が作ってくれてたオムライス
真似して俺も作ってみたけど
味が無くてまずくって笑えてきたよ
レシピでも書いててもらえばよかったなあ…

涙ひとつ零れた 切ない味になった
噛み締めるたびに どんどん溢れ出してくるの
誰もいないこの部屋 布団に包まって
泣き疲れるまで泣いて眠ろう

本当は思い出なんかにしたくないよ
思い出にすれば全部綺麗になっちゃうから
だって嘘や涙で汚した日もたくさんあってさ
それもきっと二人の足跡だから

「出会ってくれてありがとう
愛してくれてありがとう
こんな俺のそばにずっといてくれてありがとう」
忘れられないけど 忘れたくないけど
少しずつ歩き出すよ
終わらなきゃ始まらないから

君を好きになって本当によかった
あんなに笑ったり泣いたりしたこと
小さな自慢だよ 俺の誇りだよ
それが胸の奥で 今も光ってる
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