にがい酒

冷でいいから おじさん注いで
ついでにあたしの 話を聴いて
あヽあいつったらさ 別れも告げず
いま出た船に 乗ったのよ
そうよ…おじさん このお酒
明日は独りの にがい酒

海の男は 情なしかもめ
その気もないのに くち先ばかり
あヽあいつったらさ 口惜しいけれど
やっぱり駄目よ 憎めない
そうよ…おじさん このお酒
飲んで酔えない にがい酒

みなと屋台の おじさんだけよ
あたしが涙を 流せるひとは
あヽあいつったら それでも一度
女房になれと 言ったのよ
そうよ…おじさん このお酒
夢の欠片よ にがい酒
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