卯の花しぐれ

なぜか隣に いるだけでいい
ほっとするよな 人でした
なんにも約束は 交(かわ)してないけれど
待ってみたいの あの人を
白い花びら はらはらと
胸にこぼれて 雨になる 卯の花しぐれ

雨の匂いが 淋しく揺れて
吐息せつない 裏通り
待つのは愚かだと わかっているけれど
待ってみたいの 今度だけ
瞳とじれば ゆらゆらと
浮かぶ面影 抱きしめて 卯の花しぐれ

ふたりも一度 逢えるでしょうか
心細さに 涙ぐむ
あの日の優しさを 信じてこの町で
待ってみたいの あの人を
夢のしずくか ほろほろと
胸にしみます 雨の音 卯の花しぐれ
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