肝ぬ花

風に揺れる ひとひらの花
雨に濡れて やさしく
流れる雲と ささやく風は
巡(めぐ)る季節(とき)の訪れ

ここは祈る人の住む島(まち)
謡(うた)は情けを運ぶ
旅行く人を 見送りながら
謡うよ 願い込めて

てのひら重ね合った
手繰り寄せるように
あなたのぬくもりを
今も忘れない

祈りを捧ぐ人の 肝美(ちむじゅ)らさや
いつまでも いつまでも
変わらぬように

大空舞う サシバの群れよ
君はどこへ ゆくのか
暮れ行く空の 彼方見つめて
遠き日々を想う

抱き寄せ重ねあった
生まれ変わるように
あの日のぬくもりを
今も忘れない

愛を捧ぐ人の 肝愛(ちむがな)さや
いつまでも いつまでも
変わらぬように

祈りを捧ぐ人の 肝美(ちむじゅ)らさや
いつまでも いつまでも
変わらぬように
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