誘い水

人が遠くに見える日は 酒に抱かれてみたくなる
嘘…… 呑めもしないのに……
ひとりですかと 聞かないで
それを忘れに それを忘れに来たわたし

ふたり通ったこの店が 今は吐息のつきどころ
嘘…… 憂さの捨てどころ……
見ないふりして ほしいのよ
溶けためばりの 溶けためばりの汚点のあと

雨がパラつく夜更け頃 生きているのもつらくなる
嘘…… 誰がこうさせた……
淋しがり屋が 呑む酒は
しょせんなみだの しょせんなみだのさそい水
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