阿国伝説

出雲大社へ旅をして
阿国のお墓を見つけました
惚けたような昼下がり
幾千万の日々越えて
笛や太鼓が聴えてきた……

百夜(ももよ)の愛より 一夜の逢瀬
阿国は 阿国は 命たぎらす恋がいい
たとえあなたに 妻子(つまこ)がいても
はやる心は止まらない
熱くはじけて 地獄に堕ちるまで

子どもの頃から 諸国をめぐり
阿国は 阿国は ややこ踊りの歩き巫女
四条河原で あなたと組んだ
かぶく女の武家すがた
忘れられない あの日のときめきを

満つればやがて 欠けゆく月に
阿国は 阿国は なんと嘆いて 何処へゆく
武士の些細な 争いごとで
愛し山三は死んだとか
寒い!しぐれて寂しや 京の町
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