まぼろし時計

ああ 僕らはどれくらい
変わってゆくんだろう

そう いくつも ゆらめく 時を超えて
きっと それでも 変わらないもの 探してるのさ

明日には 今日も 昨日になってしまう
もし息を止めたって
乱れないリズムの中で

ああ 僕らはどれくらい 変わってゆくんだろう
ねえ ふいに怖くなって 眠れない夜があるのさ
どこにも巻き戻す時計なんてないのに
失って気づくのは なぜ

「ねえ、久しぶりの休みは何しようか」
「そうね、どこでもいいからさ いっしょに歩こう」

雨降りの坂道 沈丁花の匂い
車窓ににじむ夕暮れ
こんなに いとおしかったっけな

ああ 僕らはどれくらい 変わってしまうんだろう
ねえ きみのその笑顔と 同じ明日を見ていたいのさ
迫りくる旅立ちと 遠ざかる思い出
それでも つないでく きっと

さまようふたつの針 重なり合う時 想い焦がれ
チクタク チクタク ずっと…

ああ 僕らはどれくらい 変わっていけるんだろう
ねえ 見えない未来を どれくらい愛せるのかな
時はゆく 追いかける 僕らの足音は
いつだって まぼろしじゃない 今
変わりゆく 今
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